【根岸S】南関のボス!地方NO.1トレーナー小久保師の刺客

[ 2018年1月25日 05:30 ]

南関から参戦するブルドッグボス
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 地方の雄も虎視眈々(たんたん)。浦和からブルドックボスで挑戦する小久保智師(46)の胸の内に迫った。

 打倒JRAは、地方競馬に携わる者にとって共通の目標だ。17年はJDDとJBCレディスクラシックで、6年ぶりに地方馬がG1制覇を飾った。それを見て地方No・1トレーナーが動かないはずがない。小久保師は「自分はまだ具体的にJRAを意識するほどになってない。まだこちら(地方)で一生懸命やらないと」と一歩控えるが、13年から4年連続NARグランプリ「最優秀賞金収得調教師賞」を獲得。押しも押されもせぬトップに君臨している。

 05年開業から猛烈な勢いで駆け上がってきた。12年には年間131勝で09年に故川島正行師が記録した南関年間最多勝記録112勝を更新。翌年からは「質を重視したい」と重賞にこだわった。言葉通り、重賞も5年区切り(別表)で2→13勝、15年以降はまだ3年で18勝と驚異的な伸び。14年ダートグレード初制覇、15年にはダービートレーナーにと、実績は枚挙にいとまがない。

 そんな小久保師もJRAは未勝利。42回目の挑戦、根岸Sのブルドッグボスで初勝利を狙う。同馬はJRAから移籍後、クラスターC制覇、JBCスプリント、カペラSで共に3着とトップクラスと互角に渡り合った。「G1で足りる力がある。獲らせてあげたい」。愛馬に懸ける思いは強い。

 JRA勝利を見据えてローテーションにあえて大井マイル戦を挟んだのは、鍛え抜く小久保流ならでは。「カペラ後に一度緩めてまだ万全ではなかったが、その状態でかつマイルで、スタートから仕掛けてペースをつくり、直線もはじける。それくらいの勝ち方でなければ根岸SやフェブラリーSと言えない」。宣言通りの競馬で元JRAオープンのロワジャルダンに4馬身差圧勝した。

 ここへ向け「最終追いはいつでもはじけそうな手応え。動きも良かった。フェブラリーSに向かう過程としても一番いい状態」。狙いはドンピシャでハマった。高みへと絶えずひた走る地方No・1トレーナー。進化の過程にJRA勝利が加わるか。

 ◆小久保 智(こくぼ・さとし)1971年(昭46)10月17日生まれ。東京都出身の46歳。公営・浦和競馬所属。05年開業。08年から9年連続浦和リーディング、12年から6年連続南関東リーディングを獲得。地方6996戦1069勝、JRA41戦0勝。

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