【ユニコーンS】まるで2段ロケット!超絶加速リエノテソーロ

[ 2017年6月15日 05:30 ]

グリターテソーロ(左)と併せて追い切るリエノテソーロ
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 3歳ダート重賞「第22回ユニコーンS」の最終追いが14日、美浦&栗東トレセンで行われた。NHKマイルC2着のリエノテソーロが併せ馬で力強く先着。昨年12月の交流G1・全日本2歳優駿を制した芝&砂の二刀流が、まずはJRA・G3でライバル一蹴をもくろむ。

 芝G1・2着馬をなぜダートに戻すのか?答えは単純明快。芝も走るが、ダートの方がもっと走るからだ。

 曇天から差し込む光のように、ブレずに真っすぐ加速する栗毛の体。リエノテソーロが最終追いで圧巻の走りを披露した。Wコースでグリターテソーロ(3歳500万)と併せ馬。2馬身追走し、4コーナー手前でギアを一段上へ。直線内から並びかけ、肩ムチ2発がゴーサイン。グッと沈み込み、さらにもう一段ギアをアップ。2段ロケットのごとく推進力を増し、併走馬を3馬身突き放した。

 4F52秒8〜1F12秒4は前走NHKマイルC時(52秒7〜12秒4)とほぼ同じだが、トップスピードに至るまでの加速は前走以上に滑らか。騎乗した相馬助手も「ギアが一段でなく、もう一段奥があるタイプはそうはいない」と、抜群の手応えに舌を巻いた。

 「ソエ(若駒特有の管骨の痛み)明けの前走もいい出来にはあったが、臨戦過程がより順調な今回は今までで一番の出来。キャンターの時から弾み方が違う」と武井師も胸を張る。「ここで結果を出さないと“あいつ何やってんだ”と言われる。それは困る。でも、やはりダートで走ると思う」。デビューから変わらぬ評価を証明するには、勝利しかない。

 メンバー最速の末脚で2着に入ったNHKマイルCの走りは、インパクトが大きかった。距離不安も払しょくし、今まで以上に選択肢が広がったのは確かだ。芝&ダートの“二刀流”で結果を出しただけに、その片方を収めるには勇気がいる。それでも「一番の目標は来年のフェブラリーS」と、武井師は宣言した。リエノと同じく99年の全日本2歳優駿(当時3歳優駿)を制し、以降芝&ダートでG1・6勝を挙げたアグネスデジタルをほうふつさせる路線選択。それだけ大きな期待を、この馬は背負っている。

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2017年6月15日のニュース