【ヴィクトリアM】ホエールキャプチャ爆走 出色ラップ12秒5!

[ 2014年5月15日 05:30 ]

蛯名を背に坂路で追い切るホエールキャプチャ

 美浦では一昨年の覇者ホエールキャプチャが坂路で好時計を叩き出し、仕上がりの良さをアピールした。

【ヴィクトリアM】

 木片が敷き詰められた茶色一色の坂路に、年齢を重ねて白さを増した芦毛の馬体が鮮やかなコントラストを描く。白鯨の名にふさわしい迫力のフットワークで、ホエールキャプチャが駆け上がった。蛯名が騎乗しての単走追い。まずはキャンター1本で脚慣らしを終え、迎えた2本目。最初の1Fを15秒2で入ると、派手なアクションをせずとも自然とギアが上がっていく。13秒8→12秒7と加速しラストは12秒5(全体時計は4F54秒2)。時計の掛かる今の美浦坂路では出色のラップ。ラスト1Fは14日に登坂した延べ775頭の中で2番目の好時計だ。

 「1本目もしっかり乗ったし、今の馬場でこれだけ動ければ十分だろう」。表情に満足感を漂わせながら蛯名は続けた。「昨年(2着)は(前哨戦の)阪神牝馬S(14着)の状態が良くなくて、本番も復調途上という感じだった。今年は前走(東京新聞杯1着)も含めていい形。とにかく順調に、いい感じで来ているのが何より」

 田中清師も「息の入りも良かったし何の問題もない。具合は本当にいいね」と笑顔で愛馬を出迎えた。ヴィクトリアマイルは3年連続の出走。「最初に勝った時は挑戦者の立場。昨年は七、八分の出来だったけど、それでも接戦(鼻差2着)に持ち込んでくれた。東京マイルは馬が走り方を知っている感じ。ジョッキーも馬の事を分かっているし、何とかもうひとつ、G1を獲りたい」と意気込む。

 バトンを託された蛯名は今春、イスラボニータで皐月賞、フェノーメノで天皇賞Vと絶好調。「競馬は相手がいるし、具合がいいから結果が出るとは限らない」と冷静に前置きした上で「馬が順調なんだから、あとは馬の力を出し切ること。それだけだよ」と締めくくった。勝てば牝馬初の同一G1隔年V。新緑の府中の杜に、今年も白い馬体が躍動する。

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2014年5月15日のニュース