365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【1985年9月】雨の西麻布/とんねるず ムード歌謡を歌い大ブレーク

[ 2011年9月21日 06:00 ]

 ★85年9月ランキング★
1 涙の茉莉花LOVE/河合その子
2 悲しみにさようなら/安全地帯
3 メロディ/サザンオールスターズ
4 ラッキー・チャンスをもう一度/C―C―B
5 セーラー服を脱がさないで/おニャン子クラブ
6 雨の西麻布/とんねるず
7 夏ざかりほの字組/Toshi&Naoko
8 あなたを・もっと・知りたくて/薬師丸ひろ子
9 メトロポリスの片隅で/松任谷由実
10 シャイニン・オン君が哀しい/ルック
注目孤独の肖像/中島みゆき
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【雨の西麻布/とんねるず】

 居酒屋でのある風景をコミカルに歌った「一気!」で“歌手”として、ブレークの兆しをみせた、お笑いコンビ「とんねるず」が初のベストテン入りした代表曲。演歌というよりはムード歌謡の部類で、コーラスグループの大御所的存在であった、内山田洋とクールファイブが、シングル盤のレコーディングに参加している。

 作詞は秋元康。80年代の土曜深夜の人気番組「オールナイトフジ」の構成を手掛けていた秋元が、方向性を見失いこのまま埋もれれてしまいそうなとんねるずを抜てき。石橋貴明、木梨憲武の2人が女子大生が出演する「オールナイト…」で、居直ってネタとして使っていた“高卒”という弱点を、逆に武器に変えて、存在感を示した。

 「雨の西麻布」リリースの5カ月前に始まった、フジテレビ「夕やけニャンニャン」の総合司会を務め、中高生の男子に与えたインパクトは、ある意味「おニャン子クラブ」よりも強烈だった。それがムード歌謡など普段は見向きもしない世代に受け入れられ、加えて「紅白をねらいます」「双子のリリーズ」など、歌詞に遊び心満載のフレーズを組み込んだことも若者にウケてヒット。レコード売り上げは23万枚を記録し、TBS「ザ・ベストテン」では最高2位に。同番組で中継中に暴言を吐くなど“若気の至り”的な言動もあったが、とんねるずの人気は急上昇した。

 東京・帝京高卒業後、石橋はホテルに、木梨は自動車会社に就職したが、ともに4カ月で退社。80年、「タカアキ&ノリタケ」の名前で、日本テレビ「お笑いスター誕生」に挑戦。10週連続勝ち抜きで、デビューのきっかけをつかんだ。

 歌は「一気!」がデビュー曲と位置付けられているが、実はその前に2枚のシングルをリリース。81年に日本テレビのアニメ「新・ド根性ガエル」の主題歌「ピョン吉・ロックンロール」を歌い、翌82年には「ヤバシびっちな女デイト・ナイト」という若者の流行語を作り出そうと無理やりハイテンションな感じで歌ったものがあるが、今となってはなかなか聴くことができない幻の曲になっている。

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