365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【1996年9月】YELLOW YELLOW HAPPY/共感呼んだポケビの一生懸命さ

[ 2011年9月13日 06:00 ]

 ★96年9月ランキング★
1 Another Orion/藤井フミヤ
2 マシンガンをぶっ放せ/Mr.Children
3 田園/玉置浩二
4 渚/スピッツ
5 Is this love/globe
6 YELLOW YELLOW HAPPY/ポケットビスケッツ
7 BODY&SOUL/SPEED
8 BELOVED/GLAY
9 Swallowtail Butterfly~あいのうた~/YEN TOWN BAND
10 SQUALL/氷室京介
注目
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【YELLOW YELLOW HAPPY/ポケットビスケッツ】

 番組企画で誕生した3人組がまさか大ヒットを連発するとは、正直なところ想定外であった。

 日本テレビのバラエティー番組「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」の中で生まれた、“ポケビ”ことポケットビスケッツの第2弾シングル「YELLOW YELLOW HAPPY」が9月4日に発売されると、オリコンで初登場8位を記録。その後もコンスタントに売れ続け、計78万枚をセールス。価格も当時CDシングルの標準だった1000円の半額の500円に設定したことで、小学生ら子どもたちが買いやすかったのもヒットの要因となった。

 アップテンポの曲は、爆風スランプのパッパラー河合が作曲。懸命に日々を生きている女の子への応援歌、とも聞こえる歌詞はボーカルの千秋が作詞した。独特の感性で人気を博していた千秋だが、元来は中学時代からバンドを組むなど音楽志向が強かった。チャンスがなく歌う場所が見つけられずにバラエティー路線に進んだ形となったが、自作の詞はこの頃既にノート10冊分程度あった。

 形はちょっと変わっていたが、それでも夢をかなえた千秋に感情移入する視聴者の応援に加え、ポケビはいつも解散の危機にさらされながら活動を続けていたことが周囲の共感を呼んだ。

 利き酒、寿司ネタ当てなど、たわいもないゲームを真剣にやる千秋やメンバーの内村光良(ウッチャンナンチャン)、ウド鈴木(キャイーン)の3人。超売れっ子ながら、もともと半ば冗談で始まった活動。冗談のように終わっても不思議ではないという設定だったが、このハラハラ感が売り上げにも貢献したことは間違いない。

 仕掛け人はあの「進め!電波少年」で“T部長”などと呼ばれ、猿岩石の2人にさまざまな試練を与えていた日本テレビの土屋敏男氏。ポケビの成功を「猿岩石にしてもそうだが、千秋も一生懸命。それが画面を通じて視聴者に伝わる。何か秘策があるわけではない」と当時のインタビューでは答えている。

 ポケビの人気は日ごとに勢いを増し、3枚目のシングル「Red Angel」も大ヒット。99年まで6枚のシングルをリリースした。

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