365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【1992年9月】サヨナラ/“正体不明”のGAO いきなり大ヒットで紅白初出場!

[ 2011年9月2日 06:00 ]

 ★92年9月ランキング★
1 決戦は金曜日/ドリームズ・カム・トゥルー
2 一番偉い人へ/TUNNELS
3 涙のキッス/サザンオールスターズ
4 サヨナラ/GAO
5 You’re the Only…/小野正利
6 浅い眠り/中島みゆき
7 眠れない夜を抱いて/ZARD
8 また逢える…/KIX・S
9 シュラバ・ラ・バンバ/サザンオールスターズ
10 声を聴かせて/工藤静香
注目こころ酒/藤あや子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【サヨナラ/GAO】

 声の主は果たして男性か、それとも女性か…。日本テレビの連続ドラマ「素敵にダマして」の主題歌を歌うハスキーボイスは、どちらともとれるユニセックス的な印象がきわめて強かった。繊細でそれでいて力強い歌声は、発声練習でわざわざ声をつぶして作ったものだった。

 女性シンガーソングライターGAO(ガオ)の「サヨナラ」は4月発売ながら、夏場に有線放送を中心に人気急上昇。それがCDの売り上げにも好影響をもたらし、93万枚をセールス。異色のボーカリストは、NHK「紅白歌合戦」にも初出場を果たした。

 90年、アマチュアロックバンドの“甲子園”といわれるNHK「全日本勝ち抜きロック選手権」で応募総数4127組の中からグランプリを獲得。当時、全員フリーターの6人編成のバンドで「GAO」と名乗っていた。

 91年にメジャーデビュー。他の5人は参加せず、ボーカルだった女性のみのデビューだった。ガラガラ声の「ガオー」という叫び声に由来した芸名はたちまち広まり、「サヨナラ」の発売前からライブハウスでは女性を中心に人気に。声、ルックスとも男性ぽいことから、ステージは「ロック界の宝塚」とも言われた。

 「サヨナラ」は恋人を忘れたいがために遠くへ旅に出るが、それとは反比例して募る恋心を歌ったもの。歌詞の主人公は男女どちらにもとれるものだが、双方に普遍のテーマだけに「出来上がるまで苦労した。難産の末に生んだ子どものよう」という、GAOにとって思い入れたっぷりの曲だった。

 その後もスマッシュヒットを飛ばし、一時ヒップホップの世界に足を踏み入れたこともあった。09年にGAOとして活動を再開。あの独特の声は健在だ。

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