365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【1975年9月】面影/人気刑事ドラマのエンディングはコレ!歌っていたのは女子大生

[ 2011年9月3日 06:00 ]

 ★75年9月ランキング★
1 ロマンス/岩崎宏美
2 時の過ぎゆくままに/沢田研二
3 想い出まくら/小坂恭子
4 天使のくちびる/桜田淳子
5 面影/しまざき由理
6 北へ帰ろう/徳久広司
7 至上の愛/西城秀樹
8 心のこり/細川たかし
9 人恋しくて/南沙織
10 「いちご白書」をもう一度/バンバン
注目裏切りの街角/甲斐バンド
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【面影/しまざき由理】

 哀愁を帯びたメロディーに、18歳の女子大生とは思えない大人びた歌声が重なり、有線放送を中心にヒットチャートを上昇し始めた。

 名古屋出身の東京女子体育大生、しまざき由理が歌った「面影」。この年5月からスタートした毎週土曜午後9時放映のTBSの刑事アクションドラマ「Gメン’75」の主題歌としてエンディングで流れると、回を追うごとに評判となり、7月1日に発売。9月にヒットのヤマを向かえ、75年に計40万枚をのレコードを売った。

 厳密に言うとデビュー曲ではなかった。芸歴は12歳からでフジテレビの「ちびっこのど自慢」でチャンピオンとなりスカウトされ、アニメソングなどを歌った。中でも「ハクション大魔王」「みなしごハッチ」のオープニングの歌は有名だが、これをしまざきが歌っていたとは、「面影」の曲調とはあまりにも違うために想像することが当時は難しかった。

 「面影」は第1話から翌76年の夏場までエンディングで使われた。オープニングの横一列並びの映像とBGMとともに、Gメンといえばしまざきの歌というイメージがファンに定着。以後も「追想」「レクィエム」などが主題歌に。しかし、女性の切ない恋心を詞にした「面影」のインパクトは強く、175話から29話分は「面影」の3番のみが流れるほどだった。

 しまざき自身は歌手一本でやっていきたい意向だったが、「面影」のヒットが一段落した後に舞い込んできた仕事の話が、テレビのレポーター業。Gメンの1時間後に日本テレビで放映されていた「ウイークエンダー」に出演した。

 口達者な芸人や女優としての基盤ができあがりつつあった泉ピン子などがおもしろおかしく、実際にあった事件を写真パネルなどで説明していく高視聴率番組だったが、しまざきは「再現フィルムコーナー」の担当。他の出演者とは違い、事件を話術たくこみに説明する場面は少なかったが、「再現…」はお色気たっぷりの情痴絡みの事件を扱ったため、際どいシーンばかり。当初は相当戸惑った。

 「面影」はヒットしたが、「誰が歌っているか知らない」という反応が多かった。それを払拭するため、歌手しまざき由理の顔を知ってもらうための人気番組出演作戦という側面も所属事務所側にはあったようだ。

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