365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【1971年9月】真夏の出来事/平山三紀 コンプレックスだった声が最大の武器に

[ 2011年9月5日 06:00 ]

ステージで歌う平山三紀(現、平山みき)
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 ★71年9月ランキング★
1 わたしの城下町/小柳ルミ子
2 さよならをもう一度/尾崎紀世彦
3 雨のバラード/湯原昌幸
4 17才/南沙織
5 真夏の出来事/平山三紀
6 さらば恋人/堺正章
7 昨日・今日・明日/井上順之
8 雨の日のブルース/渚ゆう子
9 男/鶴田浩二
10 よこはま・たそがれ/五木ひろし
注目さすらいのギター/小山ルミ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【真夏の出来事/平山三紀】

 独特の鼻にかかったようなハスキーボイスの平山三紀が、三浦海岸の油壺周辺を舞台にしたサマーソングを5月に発売。夏は終わったが9月になってヒットチャートの上位に顔を出し、デビュー2曲目で28万枚のレコード売り上げを記録するスマッシュヒットを飛ばした。

 作詞は橋本淳、作曲は筒美京平のコンビ。デビュー曲「ビューティフル・ヨコハマ」と同じ2人だった。いしだあゆみが69年に歌い、大ヒットとなった「ブルーライト・ヨコハマ」のコンビでもあり、平山を使って“二匹目のドジョウ”を狙った。レコード会社も全国キャンペーンを展開するなど、力の入れようは半端ではなかった。

 しかし、思ったほどの成果は上がらず、第2弾シングルは方針を変えて臨むことになった。当初、B面を予定していた「真夏の…」だったが、レコーディングしてみると、平山の女性よりも男性に近い音程の声が曲によくマッチし、「独特のリズム感がある」と筒美らスタッフの間で好評だったため、急きょA面に。これがヒットにつながった。

 姉はミス・エールフランスコンテストで優勝し、松竹の女優になった園えり子(後に本名の平山洋子に)。幼少期から歌うことに興味を持ち、高校でも音楽を専攻。「勉強好きじゃなかったから」というのが音楽の道へ進んだ本音だった。

 大きな目も平山の特徴だったが、一番目立ったのはやはりその声。「ヘンな声」と同級生にも露骨に指摘した。マイナスと思われたと特徴だったが、これが幸いした。渡辺プロが銀座で経営していた「メイツ」で歌っていたところを筒美自らスカウトしデビューの道が開けた。

 77年に歌手仲間のばんばひろふみと結婚。ばんばは元々平山の大ファンだった。子供にも恵まれ、その後はマイペースで活動していたが、05年にばんばの女性問題で離婚。2010年には9年ぶりとなるシングルを発売した。
 

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