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【1980年9月】青い珊瑚礁/松田聖子がトップアイドルになった「おかーあさーん…」

[ 2011年9月18日 06:00 ]

デビュー当時、インタビューを受ける松田聖子
Photo By スポニチ

 ★80年9月ランキング★
1 順子/長渕剛
2 青い珊瑚礁/松田聖子
3 パープル・タウン/八神純子
4 防人の詩/さだまさし
5 さよならの向こう側/山口百恵
6 ダンシング・オールナイト/もんた&ブラザーズ
7 狂った果実/アリス
8 別れても好きな人/ロス・インディオス&シルヴィア
9 哀愁でいと/田原俊彦
10 私はピアノ/高田みづえ
注目ジェニーはご機嫌ななめ/ジューシィ・フルーツ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【青い珊瑚礁/松田聖子】

 先週まで1位だった、田原俊彦の「哀愁でいと」が2位に落ちた。80年9月18日放映のTBS「ザ・ベストテン」で1位の座を奪ったのは、1年前までデビューの日取りすらはっきりしなかった、福岡から上京した18歳の女の子だった。

 彼女の名前は松田聖子。1位のお祝いに、福岡の両親と中継がつながると「おかーあさーん…」と言って泣きべそをかいた少女が、その後歴史に名をとどめるトップアイドルになった瞬間だった。

 デビュー2曲目。ファーストシングル「裸足の季節」が洗顔フォームのCMソングとなり時間をかけながら浸透していったのに対し、「青い珊瑚礁」は松田聖子の顔と名前がある程度認識されるようになってからリリース。「裸足の季節」がレコード売り上げ28万枚だったのに対し、「青い…」は倍の56万枚。11位の壁がなかなか破れなかったデビュー曲だったが、それを楽々突破し、1位にまで立った。「あーわたしの恋は 南の風に乗って走るわ」と、いきなり高音でサビから入る特徴のある曲は、実はアイスクリームのCMソングで、本人も出演していた。

 山口百恵と入れ替わるように歌謡界に登場した聖子だが、九州地区のCBSソニーのオーディションで優勝したものの、すぐに芸能プロからは声がかからなかった。大手プロダクションの門を叩くも、縁がなく、CBSソニーの担当者とともに訪れた、桜田淳子らを輩出したサンミュージックに売り込み、いずれ機会があればデビューの予定でレッスンを積むことになった。

 歌手の卵のような立場にいた聖子が大きなチャンスをつかんだのが、ドラマ出演。日本テレビのドラマ「おだいじに」。同じ事務所の太川陽介の恋人役に決まっていたタレントがスケジュールの調整が付かず出演できなくなったため、お鉢が回ってきた。

 ホームドラマの顔だった、女優の池内淳子主演で視聴率20%強のドラマの中で、芸名の松田聖子をそのまま役名にしたことで、歌手としてデビューする前に名前が徐々に知れ渡り、ラジオ番組のレギュラーも決定。当初、早くて80年秋とされていた歌手デビューは、前倒しになり80年4月1日に大幅に繰り上がった。

 「裸足の季節」でホップし、「青い珊瑚礁」で着実にステップ、そして3枚目の「風は秋色」でレコード売り上げでも1位とジャンプ。80年春からの8カ月で松田聖子の人気は、翌81年になると国民的アイドルと呼ばれるようになった。それ以降の波乱万丈の聖子ヒストリーは、周知の通りである。

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