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【1998年9月】叫び/とんねるずと裏方9人の野猿 思わぬ大ヒット

[ 2011年9月17日 06:00 ]

第51回紅白歌合戦への出場が決まり、喜ぶ野猿のメンバー
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 ★98年9月ランキング★
1 冷たい花/the brilliant green
2 全部だきしめて/KinKi Kids
3 抱いてHOLD ON ME!/モーニング娘。
4 wanna Be A Dreammaker/globe
5 叫び/野猿
6 Power/ポケットビスケッツ
7 きっと どこかで/TUBE
8 Grace of my heart/MAX
9 きらら/工藤静香
10 たららん、パフィーのツアーメン/Puffy
注目少年/ゆず
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【叫び/野猿】

 東京・六本木のディスコ「ヴェルファーレ」。98年9月17日、11人の男が初のライブを敢行、その後1枚ずつ“手売り”で、この日発売のセカンドシングルを売りさばいていた。

 11人の正体は、お笑いコンビ「とんねるず」の石橋貴明と木梨憲武を筆頭に、番組の裏方9人とともに結成した「野猿」。“手売り”でこの日1万枚を売った(主催者発表)効果もあって、同月28日のオリコンチャートでは初登場で2位にランクされた。

 「野猿」が結成されたのは、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」の名物コーナー「ほんとのうたばん」。とんねるずがジャニーズの人気アーティストに扮し、番組の大道具や衣装など裏方スタッフが「ジャニーズ・シニア?」と称してバックダンサーを務めたところ、視聴者から大反響があった。

 石橋はダンスユニットにしてデビューする構想を番組中にぶち上げ、収録中にエイベックスの松浦勝人専務(当時)に電話で直談判したところ、快諾されてデビューの運びとなった。

 「野猿」の由来はサッカー日本代表のFW岡野雅行のニックネーム「野人」にちなんだもの。当時、岡野がシュートを決め、ワールドカップ初出場決めたことで「突然注目されたことにあやかりたい」というものだった。

 デビュー曲「Get down」から作詞秋元康、作曲後藤次利という、ヒットメーカーに曲を依頼し、ダンス指導はTRFのSAMが担当という力の入れよう。ファンクラブ「大道具通路」には女優の松嶋菜々子、観月ありさ、歌手の工藤静香らが名を連ね、話題づくりはバッチリだった。

 99年から2年連続紅白歌合戦に出場し、音楽界の異分子として席巻したが、2000年5月に「撤収」。それぞれの元の仕事に戻ったが、最後のコンサートでは半ば冗談で始めたはずの石橋や木梨まで感極まっていた。

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