【王将戦 第4局】記録係が目の前で見た、終局時の藤井王将と菅井八段

[ 2024年2月8日 19:55 ]

<第73期ALSOK杯王将戦第4局・2日目>熟考する藤井王将(右)と菅井八段(撮影・藤山 由理、大城 有生希、会津 智海、光山 貴大)
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 将棋の第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第4局は、7、8の両日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で指され、将棋の藤井聡太王将(21)=8冠=が菅井竜也八段(31)に勝利した。通算成績は藤井の4勝0敗で、タイトル防衛に成功。王将戦3連覇、そして大山康晴15世名人を抜く新記録、タイトル戦20連覇を達成した。最後は藤井が手厚い指し回しで、菅井は耐え続ける苦しい展開に。目の前で対局を見ていた記録係の田中大貴三段(25)が、終局時の両対局者の様子を語った。

 菅井の投了間際は「最後はなんだか、雰囲気がふわっと軽くなった感じ。ずっと傷だらけで剣を持って立ち続けてたけど、剣を置いたような印象でした」と話した。藤井は狙いを1つずつ確実に潰し、じわじわと迫っていく。いつ投げてもおかしくない状況の菅井だったが、耐え忍ぶ手を指し続けた。それでも最後、唇を噛みしめながら3分の考慮を経て投了した。

 「悪いのは自覚してたと思うのですが、万が一、億が一もあると思って指していたと思う」と振り返る。髪が乱れるほど頭をかきむしる菅井だが、投了直前には背筋を伸ばして盤を見ていた。

 一方の藤井は、最後まで変わらない様子だったが、終盤の▲5七馬辺りは「いつもより駒音がしっかりするくらい指していた気がします」と語る。一手一手を刻むように指しながら、最終手の121手目▲2二竜は「普段通り穏やかな指し方でした」。タイトル20連覇の新記録更新もかかる一局でも、勝ちを急がず的確に指し進める姿に風格が漂った。

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