作家・伊集院静さん死去 73歳、肝内胆管がん 妻・篠ひろ子「最期まで自分の生き方を貫き通した人生」

[ 2023年11月24日 21:18 ]

伊集院静氏
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 「大人の流儀」シリーズなどで知られる人気作家の伊集院静(いじゅういん・しずか、本名西山忠来=にしやま・ただき)さんが24日、肝内胆管がんのため死去した。73歳。山口県出身。今年10月初旬にがんの診断を受け、治療のために当面の間の執筆活動休止を発表していた。

 晩年は病魔と闘い続け、20年1月には、くも膜下出血で倒れ緊急搬送。手術などの治療を受けて復帰していたが、今度は帰らぬ人となってしまった。

 伊集院さんは、立教大文学部卒業後、広告代理店勤務を経てフリーのディレクターになり、松任谷由実、松田聖子らのコンサート演出を手掛けたほか、伊達歩の名義で作詞家として近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」をヒットさせるなど活躍した。

 1981年、「皐月」で作家デビュー。91年「乳房」で吉川英治文学新人賞を受賞した。84年に結婚した夏目雅子さんを、翌85年9月に急性白血病のため27歳で亡くした後、作家活動に専念。「受け月」で直木賞受賞直後の92年8月に「篠ひろ子」として活躍した元女優の博子さん(75)と結婚し、会見で「もう女たらしと言われないよう静かになりたい」と語って話題になった。

 代表作に「クレープ」「夕空晴れて」「海峡」「あづま橋(橋の雨)」「ツキコの月」などがあり、「ごろごろ」で吉川英治文学賞、「ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石」で司馬遼太郎賞。16年には紫綬褒章も受章した。

 また元高校球児であることから野球にも詳しく、巨人や米大リーグ・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏と長い交流があり、麻雀や競馬、競輪などギャンブルにも造詣が深かった。

 博子夫人は以下の談話を発表し、偲んだ。

 「突然のご報告になりますが、11月24日伊集院静は永い旅に出てしまいました。かねてより肝内胆管がんの治療をしておりましたが、残念ながら回復に至りませんでした。

 自由きままに生きた人生でした。人が好きで、きっと皆様に会いたかったはずですが、強がりを言って誰にも会わずに逝ってしまった主人のわがままをどうかお許しください。最期まで自分の生き方を貫き通した人生でした。

 私たちに寄り添って2人だけの時間を作って下さった皆様、そして応援してくださったファンの皆様に心より御礼を申し上げます。ありがとうございました」

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