22年大河の時代考証担当、女性蔑視ツイートで降板…ネット炎上で本人から申し出

[ 2021年3月24日 05:30 ]

東京・渋谷のNHK社屋
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 NHKは23日、来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代考証を担当する一人で歴史学者の呉座勇一氏(40)が降板すると明らかにした。呉座氏は関係者のみが閲覧できるようになっていたツイッターアカウントで、フェミニスト批評などが専門の女性文学者を名指しでおとしめる投稿を長年にわたって繰り返していたことが発覚。その投稿内容が「ミソジニー」(女性や女らしさに対する嫌悪や蔑視を意味する英語)であるなどとして炎上していた。騒動を受けて呉座氏が自ら降板を申し出て、NHKが了承したという。

 呉座氏はツイッター内で「フェミニズムの信頼性を落とすために送り込まれたスパイではないかと疑いたくなるレベルだな」などと長年にわたり女性文学者を中傷。これに対し女性文学者が抗議していた。過去の投稿にも注目が集まり「男の方が体力があって労働時間が長いから社会的地位が高くなるだけなんだよな」、「女性の本能に任せた結果が今の非婚化・少子化なんだがな」などと、女性を蔑視した内容を日常的に投稿していたことも発覚した。

 騒動を受けて呉座氏は「一連の揶揄(やゆ)、誹謗(ひぼう)中傷について深く反省し、おわび申し上げます」と謝罪。「今後は二度とこのようなことを起こさないと誓います。ただ具体的な改善策・対応につきましては、私の浅知恵で考えるのではなく、皆さまのご指導を賜りながら、少しずつ進めていきたい」とつづった。

 「鎌倉殿の13人」は鎌倉幕府の2代執権・北条義時の人生を描く物語。呉座氏のほか、坂井孝一氏、木下竜馬氏が時代考証を担当。同局によると、今後については未定。番組制作への影響はないという。

 呉座氏は国際日本文化研究センターで助教授を務め、日本の中世史が専門。16年には著書「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」(中公新書)が48万部を超えるベストセラーに。NHKBSプレミアム「英雄たちの選択」や、今月17日に放送終了したNHK「歴史秘話ヒストリア」などにも解説者として出演した。

 ≪過去に「勝海舟」の脚本家・倉本聰氏が降板≫過去にNHKのドラマで裏方のスタッフが降板した事例として、1974年大河ドラマ「勝海舟」の脚本家・倉本聰氏(86)がいる。演出陣との意見の相違とされている。また、最近では、昨年放送された連続テレビ小説「エール」で脚本を担当していた林宏司氏が降板。交代理由についてNHKは「制作上の都合」とした。スペシャルドラマでは、04年に「坂の上の雲」の脚本を執筆中の野沢尚さん(享年44)が自殺。脚本家が交代して制作された。

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2021年3月24日のニュース