昨年永眠の綿引勝彦さん 映画「瞽女 GOZE」で熱演 瀧澤監督「体が悪いこと感じさせなかった」

[ 2021年3月24日 05:30 ]

「瞽女 GOZE」で重厚な演技を披露する綿引勝彦さん。右はハルの幼少時代を演じた川北のん
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 「最後の瞽女(ごぜ)」といわれた小林ハルさんの生涯を描いた映画「瞽女 GOZE」(監督瀧澤正治)が4月3日から目黒区の東京写真美術館で上映される。三味線を弾き歌いながら巡業した盲目の旅芸人。1人で生きていけるように心を鬼にして娘を瞽女に育てた母の慈愛と娘の成長を丹念にすくいとった。

 新潟県三条市出身のハルさんは5歳で修業を開始し、05年に105歳で大往生。その生きざまに心動かされた瀧澤監督が豊潤な人間ドラマに仕上げた。主演の吉本実憂(24)はじめ中島ひろ子(50)ら実力派が集結。すい臓がんのため昨年12月に75歳で永眠した綿引勝彦さんも祖父役で出演し、抑揚の利いた演技で魅了。瀧澤監督は「19年の冬と春の撮影中もお体が悪いことはみじんも感じさせなかった。出番がなくても、毎日僕の横でうなずきながら見てるんです。“仏壇に置いてください”とDVDを送りましたが、コロナが落ち着いたらお線香を上げにいきたい」としのんだ。

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2021年3月24日のニュース