山口真帆が欅の「黒い羊」皮肉唱 “まほほん派”駆け付け3人の卒業公演が8人に

[ 2019年5月19日 05:30 ]

卒業公演を行ったNGT48の山口真帆(AKS提供)
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 昨年12月にファンから暴行を受けたNGT48の山口真帆(23)が18日、新潟市内の専用劇場で卒業公演を行い、グループを卒業した。今年1月に暴行被害を配信動画で自ら告白。運営側の対応を猛批判するなどして、騒動は大きく広がった。問題が解決せぬまま迎えた、アイドルとしてのラストステージ。最後は言葉ではなく、楽曲で運営を皮肉った。

 山口は、同時に卒業する菅原りこ(18)、長谷川玲奈(18)と登場。普段は16人で公演が行われる広い舞台で、3人だけで笑顔と涙の全力パフォーマンスを見せた。

 「太陽は何度でも」と銘打たれた特別公演は、NGTの初オリジナル曲「Maxとき315号」でスタート。その後はAKBグループの王道アイドルソングを次々披露した。さらにアンコールでは、秋元康氏が3人のために新たに書き下ろしたバラード「太陽は何度でも」を歌唱。アイドルらしい明るい曲で組んだ選曲だった。

 だが、1曲だけが異質だった。本編最後のこと。サプライズで日下部愛菜(17)、小熊倫実(16)ら「卒業公演に出たい」と直訴した5人の“山口派”が登場。8人で披露したのは「欅坂46」のヒット曲「黒い羊」だった。これにファンはどよめいた。山口が抱える思いをそのまま表現したように聞こえる詞だからだ。

 「黒い羊 そうだ僕だけがいなくなればいいんだ そうすれば 止まっていた針はまた動き出すんだろう?」「全員が納得する そんな答えなんかあるものか」「みんなから説得される方が 居心地悪くなる 目配せしている仲間には 僕は厄介者でしかない」  山口は欅坂の平手友梨奈(17)が担当するセンターで歌唱。演じるのは、白い羊の中に一頭だけ交ざった黒い羊。周りに合わせて生きることに息苦しさを感じる主人公を、情感を込めて演じた。

 山口と運営側は事件後から対立を続けた。山口はメンバーの関与について「あるメンバーは私の家に行けとそそのかした」などと訴えるも、運営側は「不問」とした。山口は事実上、追い出されるように卒業。“黒い羊”がいなくなれば、また“白い羊”だけでやり直せる。それは運営側へ向けた究極の皮肉だった。この日駆けつけたメンバーは“山口派”で、確執を残すメンバーは一切登場しなかった。

 卒業を発表した先月21日の公演とは違い、あいさつでは運営側への批判はなし。菅原と長谷川とは手紙を読み合い、強い絆を示した。山口は応援してくれたファンに感謝し「これからの夢に向かって力強く歩んでいきたい。またみなさんとお会いできるように頑張ります」と前を向いた。目を真っ赤にはらして「ありがとう」と手を振り、アイドル人生にピリオドを打った。

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