藤井聡太七段 渡辺明棋王下し朝日杯2連覇達成!「落ち着いて自分の将棋を指すことができた」

[ 2019年2月16日 16:56 ]

<朝日杯将棋オープン戦>師匠の杉本七段(左)から祝福され笑顔の藤井七段(撮影・島崎忠彦)
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 第12回朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメント決勝が16日、東京都内で指され、前回優勝の藤井聡太七段(16)が渡辺明棋王(34)に128手で勝ち、連覇を達成した。朝日杯の連覇は、14年から3連覇した羽生善治九段(48)以来、2人目の快挙となった。

 振り駒で先手となった渡辺が、準決勝に続き雁木という重厚な戦型を選択し、藤井も同じ戦型で応じた。駆け引きが続いた中盤、渡辺がやや消極的な手を指した一瞬の隙をこじ開けるかのごとく、藤井が解説陣も予想しないような手を次々に繰り出し、徐々にリードを奪っていく。苦しげに表情をゆがめる渡辺に対して、藤井は最後まで冷静な表情を崩さなかった。

 ともに今年度の勝率が8割を超える藤井と渡辺は、公式戦、非公式戦を通じて初対局。渡辺は現在、挑戦中の王将戦7番勝負で3勝0敗、7連覇がかかる棋王戦5番勝負でも2勝0敗と、ともに王手を掛けている。現将棋界で最強と目される渡辺に完勝した藤井が、連覇に花を添えた。

 朝日杯将棋オープン戦は全棋士参加の一般棋戦で、持ち時間は各40分。昨年が初出場だった藤井は1次予選から勝ち上がり、史上最年少の15歳6カ月で棋戦優勝を達成。同時に史上最年少で六段へ昇段した。

 今期の藤井は本戦の1回戦から登場。稲葉陽八段(30)、準々決勝では糸谷哲郎八段(30)とトップ棋士を連破してベスト4に進んだ。この日の準決勝では、藤井は行方尚史八段(45)、渡辺は千田翔太六段(24)にそれぞれ勝利し勝ち上がった。

 藤井七段の今期の成績はこれで40勝7敗となり、勝率は・8511。1967年度に中原16世名人が記録した歴代1位の・8545(47勝8敗)の更新の可能性を残した。

 ▼藤井聡太七段 多くの方に見ていただいた中で、2局とも落ち着いて自分の将棋を指すことができた。去年に続いて優勝という結果を残すことができて嬉しく思う。

 ▼渡辺明棋王 初手合いで楽しみにしていた。勝負手を逃してからは一方的になってしまい、物足りない内容になって申し訳ない。その辺りを課題にして頑張りたい。

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