ヤングシナリオ大賞は史上最年少の14歳・鈴木すみれさん 憧れ坂元裕二氏登場に「信じられないです」

[ 2018年11月22日 16:32 ]

「第30回フジテレビヤングシナリオ大賞」授賞式で第1回大賞の坂元裕二さんと今回大賞を受賞した鈴木すみれさん
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 脚本家の登竜門「第30回フジテレビヤングシナリオ大賞」の授賞式が22日、フジテレビ局内で行われ、大賞に東京都在住中学2年生の鈴木すみれさん(14)の作品「ココア」が選ばれた。同賞史上最年少の受賞者となった鈴木さんは、小学校1年生のころから小説を書き始め、「坂元裕二さんの“Mother”の脚本を買って自分で勉強しました」とあどけない表情ながらも、しっかりと語った。

 受賞作は少女と大人のはざまで揺れる3人の女子高生が、それぞれの愛を見つけていくという群像劇。選考の理由は「違う人生だけど、みんなどこか同じ、という世界観が魅力的。誰もが味わったことのあるほろ苦い記憶を思い起こさせるとともに、生きていく希望を与えてくれる作品。ト書きが少なくシンプルな構成ながら、どんどん引き込まれる台詞が最大の魅力」と同局第一制作室の荒井敏雄審査委員長。また、執筆当時は13歳で、「類まれなる才能と無限の可能性を秘めていると断言できる」と絶賛した。

 会見の最後には、第1回大賞受賞者の坂元さんがサプライズで登場。鈴木さんは「信じられないです」と驚きと喜びの表情を見せた。これまで同賞の最年少受賞者は坂元さんの19歳だったが、今回の鈴木さんの受賞で記録は更新された。「喜ばしいことです。30年もかかったのか…」と感慨深げに語った。坂元さんが「ココア」を読んだ感想は「とても面白く、素晴らしいと思いました。もちろん才能豊かですが、人間をよく見ていて、そこに温かみや深さ、広さがあって、強いなと思いました」。さらに「これからどこに行くのかわかりませんが、どこに行っても人間を見る力は大切です」とアドバイスを送った。鈴木さんはあこがれの坂元さんと握手を交わして「これからもファンなので、坂元さんのように書けるようになりたいです」と笑顔で話した。

 今回の応募総数は1463作品。佳作には市川貴幸さんの「まるでドーナツ」、沖原佳世の「笑顔のカタチ」、高瀬秀芳さんの「女優は毛穴まで嘘をつく」の3編が選ばれた。

 同賞のフジテレビが自社のドラマ等で活躍する若手シナリオ作家を公募し、育成するために1987年に設立された。過去の大賞受賞者には、野島伸司(第2回)、野木亜紀子(第22回)などがいる。大賞1編には賞金500万円、佳作数編には100万円が贈られる。原則として大賞・佳作のうち1編を映像化し、放送するものとする。応募資格は自称35歳以下でプロの脚本家を目指す人。

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