松岡茉優「万引き家族」共演の安藤サクラ絶賛“絶望的な存在”カンヌ快挙後初の公の場

[ 2018年6月2日 16:01 ]

東京・新宿区の早稲田大学で人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」に登壇した松岡茉優
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 今年5月に開かれた世界最高峰の映画祭「第71回カンヌ国際映画祭」で、長編14作目となる最新作「万引き家族」(8日公開)が日本作品として21年ぶりに最高賞「パルムドール」に輝く快挙を成し遂げた是枝裕和監督(55)と出演女優の松岡茉優(23)が2日、東京・新宿区の早稲田大学で人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」に登壇した。

 同講義は、是枝監督が教授を務める早大基幹理工学部およびグローバルエデュケーションセンターに設置された科目。毎週土曜日、映画・ドラマ・アニメなど日本の映像作品を支えるゲストスピーカーを招き、履修学生とのディスカッションを交えながら、創作への姿勢や手法を聞く90分。正規の履修者には単位が付与される。この日は約500人の学生が出席した。

 家族の在り方を問い続けてきた是枝監督が、今度は東京の下町を舞台に万引で生活費を稼ぐ一家を描く渾身作。城桧吏(かいり=11)演じる息子・祥太と協力して万引を重ねる父・治にリリー・フランキー(54)、その妻・信代に安藤サクラ(32)、信代の妹・亜紀に松岡、家族の“定収入”として年金をアテにされる祖母・初枝に樹木希林(75)と実力派をキャスティング。冬のある日、父子が凍えているところを見つけ、家に連れて帰る少女・ゆりを佐々木みゆ(6)が演じる。

 5月19日(日本時間20日)のパルムドール受賞後、松岡は初の公の場。是枝監督から「どうだったの?カンヌは。行ってみて。どういう経験でした?」と水を向けられると、松岡は「本当のことを言った方がいいんですか?マスコミさん向け、それとも学生さんに向けたことを言ったらいいんですか?」と迷いながら、3つとも回答。

 “本当のこと”として「樹木希林さんは我々俳優の中でも既に伝説の人だから、感情がどうのということはないんですが、誤解を恐れず言うと、安藤サクラさんっていう人の存在は、全女優にとって“絶望的な存在”なんですよ。『ウソでしょ』っていうぐらい、安藤サクラさんはこの映画で“絶望的に素晴らしいお芝居”をなさっています。だから、あの(カンヌの)赤いじゅうたんを歩く上で『この方と同じ笑顔で歩けない』って思ったんです」と力量の差を痛感して率直な心境を吐露し、独特の表現で絶賛。

 安藤とは9歳違い、約10年前に映画「愛のむきだし」(2009年)で共演しているが「10年後、サクラさんのレベルに達しているのか。10年か20年か、もっと(時間が)かかるかもしれないですが、この人と同じ笑顔でカンヌのレッドカードを歩きたいと思ったのが正直な思いです。誤解を恐れず、申し上げました」と告白し、目標を語った。

 是枝監督も「今のコメントは素晴らしい」と応じ「ホント、そのぐらい(安藤は)凄かったね。僕は正直言うと、自分の作品とかはどうでもよくて『うわっ、お芝居って、こんなところ行くんだ。こんな瞬間にたどり着くのか』」と振り返った。

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