藤井七段昇格!最年少15歳9カ月、61年ぶりひふみん超えた

[ 2018年5月19日 05:30 ]

竜王戦ランキング戦5組の準決勝で勝利し、史上最年少の15歳9カ月で昇段し笑顔の藤井聡太七段
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 高校生プロ棋士の藤井聡太六段(15)が18日、大阪市の関西将棋会館で指された竜王戦ランキング戦5組準決勝で船江恒平六段(31)と対戦し、72手で勝利。規定を満たし、加藤一二三・九段(78)の17歳3カ月を61年ぶりに大きく更新する史上最年少の15歳9カ月、デビューから最速の1年7カ月で七段に昇段した。

 「ここまで早いペースで昇段できるとは思っていなかった。目の前の一局一局に全力で打ち込んできたのが結果に表れた」。2月1日の五段昇段から朝日杯オープン戦に優勝してわずか16日間で六段となり、その90日後には早くも今年3度目の昇段。その道のりを振り返りながら、藤井は高校生らしい屈託のない笑顔を見せた。

 過去3戦全敗だった“苦手”とする井上慶太九段一門の棋士との対決ということも加わり、報道陣50人以上が殺到したが「そういったところは意識してもしょうがない」。平常心で臨み、中盤に苦戦したものの、隙のない攻めで押し切った。

 中学生でプロになった5人の中でも、デビューから2年8カ月で最速だった加藤を上回る1年7カ月で到達した高み。かつて「神武以来の天才」と最大級の褒め言葉で脚光を浴びた加藤から遅れること61年。現代に現れた新星は、歴代最多29連勝を含む数々の偉業で棋界を席巻したが、高校生になってからも5連勝と勢いは止まらない。

 これで石田直裕五段(29)と対局する同組決勝(6月5日)で勝てば、憧れの羽生善治竜王(47)への挑戦権を争う決勝トーナメントに進出できるが「次戦が非常に大事な一局」。例年9〜10月に5番勝負が行われる王座戦でも挑戦者決定トーナメント準々決勝に進んでおり、タイトル獲得への期待も確実に膨らむ。「少しでも上に行けるよう頑張りたい」と意欲を隠さなかった。

 師匠の杉本昌隆七段(49)と同じ段位に肩を並べ、「そう言われても実感が湧かない」と苦笑い。その上で「段位だけでも並べたことは感慨深いが、これからさらに実績を積み重ねることが大事」とも。来年5月1日には皇位継承に合わせた新しい元号も始まる。その新元号が付いた「○○の天才」と呼ばれる土台づくりが着々と進んでいる。

 ▼羽生善治竜王 2月の六段昇段から3カ月余りで七段昇段を達成されてそのスピードに驚がくさせられています。将棋の内容も積極的な動きが特長で磨きがかかっていると思います。今後のさらなる活躍を期待します。

 ▼杉本昌隆七段(師匠)結果を出し続ける強い棋士に対して敬意を表します。弟子に自分と同じ段位に追いつかれることは、師匠として大きな喜び。複雑な気持ちなどみじんもありません。

 ▼佐藤康光九段(日本将棋連盟会長)まだ年の初めは四段だったことを考えると、過去に例を見ないスピードでただ驚くばかりです。内容も申し分なく見事の一言に尽きます。

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