生島翔 実験的ダンス公演に挑戦「人となりがにじみ出る」、父は生島ヒロシ

[ 2018年2月10日 05:30 ]

実験的公演「SEE SAW」に出演中の生島翔
Photo By 提供写真

 俳優でダンサーの生島翔(32)が、9日に開幕したコンテンポラリー・ダンスの注目公演「SEE SAW」(東京・三軒茶屋シアタートラム)に出演。観客に様々な選択と判断、解釈を委ねた実験的作品に挑んでいる。

 須藤元気率いるダンスユニット「WORLD ORDER」の演出で知られる気鋭のパフォーマンス集団「GRINDER―MAN」の新作。驚くのは、劇場中央に設置された巨大な壁面。2つに分断されたそれぞれの空間で、2チームに分かれた男女ダンサーが壁を隔てて同時にコンテンポラリーダンスを繰り広げる。つまり、観客はどっちを見るか選びながら観覧することになるのだ。

 客席を自由に移動することができるため、目の前(SEE)と向こう側(SAW)の演目を、どのタイミングで、どちらのサイドから見るのか。「選択」と「判断」を繰り返した末、人は何を感じ、どう受け止めるのか――。

 視点、視野、そして「視座」。取材記者が求められる大切なモノが、この舞台にある。

 生島は、フリーアナウンサーの生島ヒロシ(67)の次男。米ニューヨーク大学卒業後、米国とドイツで演劇とダンスを勉強。帰国後は「闇金ウシジマくん2」など映画、ドラマに出演。昨年、映画「関ヶ原」で戦国武将の宇喜多秀家役を好演し、話題となった。2016年には米映画「DARC」でハリウッドデビューも果たしている。

 セリフが無く、自らの肉体のみでメッセージを放つ「ダンサー」は、豊富な知識と軽妙な語り口を武器とする父親と正反対な生業(なりわい)であるところも面白い。

 「言葉がない分、人となりが誤魔化しようがないほどにじみ出てくる。特に今回は観客が移動しながら見れるように、僕らは3回同じことを繰り返す。極力同じ演技をしようとしても、どうしても出てくる汗や疲れ。そこに抗う人間らしさを感じてもらえれば」。父親ゆずりか、言葉のチカラもある。公演は11日まで。

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2018年2月10日のニュース