たけし 12年ぶり主演映画に「時代のニーズに本当に応えていない」

[ 2016年1月16日 17:34 ]

映画「女が眠る時」完成会見&特別上映会舞台あいさつに出席した(左から)新井浩文、ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里

 ビートたけし(68)が16日、都内の映画館で行われた主演映画「女が眠る時」(監督ウェイン・ワン、2月27日公開)の完成会見に共演の西島秀俊(44)、忽那汐里(23)、新井浩文(36)とともに出席した。

 スペインの著名な作家ハヴィア・マリアスの短編を日本を舞台に映画化したもので、リゾートホテルを訪れた2組のカップルが繰り広げるミステリアスなサスペンス。「完成作品を見て、これは実に時代のニーズに本当に応えていない」とニヤリ。「片方でディズニーランドにいるような作品が制作されている昨今、直木賞、芥川賞に匹敵するような知的映画を制作した東映、ワン監督の力だけでなく、すべて私のおかげです」とあいさつして笑わせた。

 たけしにとっては自作以外では、04年の「血と骨」以来12年ぶりとなる主演作。「始めは西島くんが主演で、サポート役って聞いていいよって言った。台本を見た時も西島くんが最初に書いてあったはず。西島くんのほうが出番も多いし、まあ、いいんですけど」と不満そうに話しつつも「自分の初期の作品では、力を入れて、今までの映画をぶち破るような意識があって、あまりにも観客動員数が少なくなって、ついつい暴力映画に走ったり、お笑い映画に走って、損失を取り戻したりしていた。今回は他人の映画ではないので、損失を出しても俺のせいじゃない。だったら、俺の理想とする、難解だけど、知的ゲーム的な要素があるものを喜んで出させてもらった」とジョーク交じりに作品に参加した思いを明かした。「第66回ベルリン国際映画祭」のパノラマ部門正式出品作品となっている。

 作品について「100人見れば100人なりの解釈の仕方がある。知的ゲーム的な映画になっているのでハマると面白い。映画の良き時代をもう一回思い出させるような作品」と仕上がりに自信。「評価も厳しい評価もあると思うが、映画というものはお客さまに見てもらうことがベスト。いい意見も悪い意見もあるとは思うが、それがまた映画の面白いところ。昨今は興行収入ばっかりに表に出ていて、映画の良き時代をもう一回思い出させるような映画になっている。こういう映画も改めて見直してほしい」と昨今の映画について持論を展開した。

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