田中麗奈“魔性の女”に起用のワケ 「美しき罠」に込めた意味

[ 2014年11月24日 10:05 ]

「美しき罠~残花繚乱~」で7年ぶりに民放の連続ドラマに主演し“魔性の女”に初挑戦する田中麗奈(C)TBS

 女優の田中麗奈(34)がTBS「美しき罠~残花繚乱~」(来年1月8日スタート、木曜後9・00)で7年ぶりに民放の連続ドラマに主演する。作家・岡部えつ氏の小説「残花繚乱」(双葉社)を原作に、大人の愛憎劇を描く。田中は大人の色気をまとい、新境地の“魔性の女”に初挑戦する。脚本は「ラブジェネレーション」などの浅野妙子氏、演出は「101回目のプロポーズ」などの光野道夫氏が手掛ける。浅野氏は女の性(さが)や業(ごう)、光野氏は大人の恋愛を描くのを得意とし、1996年「Age,35 恋しくて」でタッグを組んだ。ドラマを制作する共同テレビの栗原美和子プロデューサーが企画意図などを語った。

 34歳のOL・西田りか(田中)は、不倫相手の大手企業常務・柏木壮太(村上弘明)の裏切りに遭い、それを画策した柏木の妻・美津子(若村麻由美)への復讐を決意する。一方、見合い相手となる青年実業家・落合圭一(青柳翔)が美津子に思いを抱くという敵だらけの人間関係。互いにだまし合い、誰が本当の幸せにたどり着けるのか…。

 ――田中の起用理由は?

 「原作から直接的にイメージできるかということではなく、脚本の浅野さんとどんなふうに連ドラでオリジナリティーを出していこうか考えた時に、田中さんが持っている可憐さ、かわいらしさを活用して、プラスアルファの小悪魔性、魔性の女の要素を入れていく。そのギャップ、意外性がおもしろい女優さんは田中さん。決して計算ではないのに、魔性が潜在している。これを演じることができる30代女優は田中麗奈さん以外に考えられません」

 ――原作(単行本)は今年7月に発売。ドラマ化への経緯は?

 「本が出た時、割とすぐに情報が入ってきて。まずタイトルですね。『何だろう、このタイトル』っていうことに惹かれて。読んでみて、ちょっと普通じゃ考えられない行動を取る女性がいっぱい出てくるんですけれども、よく考えると、そんなものかなと思えるような、リアルはこのくらいしているかもしれない、みたいなところがとてもおもしろいと思いました。なので、連ドラで描いていくとおもしろくなるんじゃないかなと思いました」

 ――脚本は「ラブジェネレーション」「神様、もう少しだけ」「大奥」やNHK連続テレビ小説「純情きらり」などで知られる浅野氏。原作をどう料理するのか?

 「ドラマはかなり原作とは違っています。原作を読まれたらネタバレになるところもありますが、オリジナルの部分を加えていきながら、全10話、おもしろい展開にしていけたらいいなと思っています」

 「原作は“飛ばして”描いているというか、なぜそういう行動に至ったかとか、なぜこの人がそんな設定なのかとかは読者の想像をかき立てる書き方をなさっているので、連ドラではそこの部分を具体化して表現したいなと思っています。われわれの考える連ドラの中盤ぐらいから原作が始まっているので、ドラマを楽しんでくださる視聴者に向けては、そこを丁寧に描いていこうかなと思っています」

 「原作の岡部さんが素敵な方で、テレビドラマを楽しみにしてくださっていて。『ドラマだとそうなるんですね。おもしろい、おもしろい。私が一番楽しみにしています』とおっしゃってくださっているので、われわれも岡部さんの期待を裏切らないような、おもしろいものにしなきゃいけないと思っています」

 ――原作が「残花繚乱」で、ドラマのタイトルが「美しき罠~残花繚乱~」。タイトルに込めた意味は?

 「ヒロインが不倫をしているところから始まるんですが、決して“不倫ドラマ”ではないんですね。これはきっかけに過ぎず、新たな愛憎の罠に巻き込まれていくヒロインのお話なんです。その罠というのは、最初の分かりやすいもので言うと不倫相手の妻・美津子(若村麻由美)が仕掛けていたりする。非常に美しい人が仕掛けているので『美しき罠』だったりするんですが、でも、本当は誰が罠を仕掛けているのか。正攻法で戦っていくヒロインなんですけど、どんなふうに戦って、どんなふうに打ち勝っていくのか。たぶん、それは周りの敵と戦っているということではなく、自分自身と闘っていて、最終的に本当の幸せを見つけたい。『美しき罠』の中で、もがいている感じです」

 ――ターゲットの視聴者層は?

 「もちろん女性全般なんですけれども、F2(35~49歳の女性)を軸として、F3(50歳以上の女性)、F1(20~34歳の女性)にぜひ見ていただきたいと思っています。1回、見ていただければ、女性の皆さんはハマッて見ていただけるのではないかなと思っています。じゃ男性まで欲張らないのかと言われると、欲張りません。いろいろ欲張って薄まるよりは、とにかく女性に見ていただきたいという思いで、一生懸命作ります。結果、男性もこっそり見てくれると、うれしいですけど」

 ――ラブシーンの描写は?

 「大人の愛憎劇なので、全くないわけはないですよね。ただ、民放のテレビドラマの常識の範囲内だと思います」

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2014年11月24日のニュース