阪神・近本 赤星氏に弟子入り志願 来春キャンプで臨時コーチ 「野球の怖さ、難しさ」克服へ

[ 2022年12月30日 05:15 ]

来春キャンプで臨時コーチを務める赤星氏に弟子入り志願した近本(手前)

 阪神の近本光司外野手(28)が、来春のキャンプで臨時コーチを務める赤星憲広氏(46=本紙評論家)に弟子入りを希望した。社会人出身で俊足巧打の中堅手など共通項が多い猛虎のレジェンドOBに、グラウンドで本格指導を受けるのは、初めてになる。来季5年目を迎え、その5年目に多くの部分でキャリアハイの数字を記録した大先輩に極意を聞き出し、年数を重ねるごとに感じる「怖さ、難しさ」を克服する。

 近本にとって、これ以上の先生はいないはずだ。03年と05年のリーグ優勝を支えた赤星氏が春季キャンプで臨時コーチを務める。19年のプロ入りから対談などで野球談議をすることはあっても、グラウンド内で本格的に教えを受けるのは初めて。この機会を逃すわけにはいかない。

 「赤星さんとは(会ったときは)よくしゃべるので、いろんなことを聞けたらいいなと思います」

 2人には共通点が多い。ポジションは中堅。左打ちの小柄な安打量産型で、複数回の盗塁王を獲得したほど快足を武器にする。社会人からプロ入りしたという経歴も同じだ。

 ただし、数字上は安打数も、盗塁数も、打率も赤星氏に軍配が上がる年が多い。好成績を残し続けた結果、球団歴代1位の381盗塁、打率3割台を5回、ゴールデングラブ賞も5回受賞した。

 コンスタントに成績を出す難しさは、技術もさることながら、精神面にもあると、近本は考える。ましてや今季、打率は昨季の・313から・293に下がり、本塁打数も10本から3本に減ったからこそ、大先輩の偉大さが、より分かるのだ。

 「知っちゃう怖さというか、難しさがある。1年目は何も知らないから自分の感覚で勝負をできるけど」

 年数を重ねるごとに視野が広がり、イケイケドンドンのプレーができなくなるという経験を、社会人の大阪ガス時代にも味わった。

 「都市対抗の予選の怖さは1年目は分からない。2、3年目と続けるうちに怖さや会社を背負う難しさも出てくる」

 プロでも社会人でも同じ経験をしているはずの赤星氏はお手本としてうってつけ。しかも来季は入団5年目で、その5年目に先輩は得点(119)、安打(190)でキャリアハイの成績を残している。教えを請う項目は、走攻守だけでなく、メンタル面を含めて多岐にわたりそうだ。理論派の先輩の言葉は、頭脳派の後輩の耳に深く届くことは間違いない。2人が起こす化学反応が、チームを強くする。(倉世古 洋平)

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2022年12月30日のニュース