DeNA・高城俊人「ベイスターズで終われてよかった」 愛された三浦監督最後の女房役

[ 2022年12月30日 05:45 ]

17年の日本シリーズ第4戦で本塁打を放った高城(撮影・北條 貴史)

 惜しまれつつ引退するベテランもいれば、思うように活躍できずに現役を終える若手もいる。2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」。プロ生活の経験や思い出を胸に、新たな道へ進む野球人に、幸あれ。

 【DeNA・高城俊人】16年9月29日のヤクルト戦。三浦大輔(現監督)の引退試合で主役が驚くほど号泣したのが、先発マスクの高城だった。「凄い経験でした。三浦さんへの思い入れは誰よりも強かったので」。

 現役生活25年の番長がラスト登板で女房役に指名したほど、誰からも愛された性格。12年7月18日のヤクルト戦で、球団では谷繁(元中日監督)以来23年ぶりとなる高卒1年目のスタメンマスクをかぶり、将来も有望視されていた。だが18年途中にオリックスへトレード移籍。古巣と縁が切れたはずが、19年オフに戦力外通告を受けDeNAに復帰し「助けてもらった」とその後は献身的にチームを支えてきた。

 2度目の戦力外通告。「寂しさはある。でもベイスターズで終われてよかった」と振り返る。今季は1軍出場なしで、プロ通算本塁打も4本のみだが、17年のソフトバンクとの日本シリーズ第4戦では、2―0の7回に五十嵐から左翼席へソロ。「今でもモチベーションを上げるときに、その動画を見る」という思い出の一発だ。

 「周囲の関係者に恵まれたプロ野球人生でした」。今後の進路は未定も、その人懐こく人情深いキャラクターは、どんな道でも必ず生かされる。(大木 穂高)

 ◇高城 俊人(たかじょう・しゅうと)1993年(平5)5月3日生まれ、福岡県出身の29歳。九州国際大付では3度甲子園出場。3年選抜は準優勝。11年ドラフト2位でDeNA入り。18年シーズン途中にトレードでオリックスに移籍し、20年にDeNA復帰。1メートル76、83キロ。右投げ右打ち。

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