中日・山下斐紹 期待の元ドラ1 草野球で人生の逆転弾 第二の人生でしっかりホーム守る

[ 2022年12月30日 05:00 ]

名古屋市内で野球バーを経営する山下 

 惜しまれつつ引退するベテランもいれば、思うように活躍できずに現役を終える若手もいる。2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」の第2回はセ・リーグ編。プロ生活の経験や思い出を胸に、新たな道へ進む野球人に、幸あれ。

 【中日・山下斐紹】期待の元ドラ1が静かにユニホームを脱いだ。山下は「一番の思い出はソフトバンク時代の開幕スタメンかな」と振り返った。

 10年ドラフト1位でソフトバンク入り。2位は柳田だった。16年の開幕戦・楽天戦で、先発マスクに抜てきされるなど期待をかけられたが、伸び悩んだ。17年オフにトレードされた楽天でも結果を残せず、20年に戦力外通告を受け、育成契約で中日へ。21年に支配下復帰し、今季は開幕1軍入りも、10月4日に戦力外通告を受けた。

 当初は現役続行を希望も、11月から名古屋市内で「野球バー DIAMOND」を経営している。戦力外通告から1週間後、知人に誘われた草野球の試合で、2点劣勢をひっくり返す逆転3ラン。チームの代表が名古屋で飲食店などを経営する企業の会長だった。「会長から“お前すげえな。何でクビになったんだ。応援したくなった”と言ってもらって、今の店を居抜きで紹介してもらった。人生の逆転ホームラン?本当にそう思います」

 現在は営業時間の午後8時から午前2時までカウンターに立つ。「生活が真逆になってきつい面はあるけど、毎日家に帰れるのがうれしい」。私生活では2男1女のパパ。第二の人生でしっかりとホームを守る。(中澤 智晴)

 ◇山下 斐紹(やました・あやつぐ)1992年(平4)11月16日生まれ、札幌市出身の30歳。習志野では2年春に甲子園出場。10年ドラフト1位でソフトバンク入りし、17年オフにトレードで楽天移籍。自由契約となった20年オフに中日と育成選手契約。21年6月に支配下復帰。1メートル79、95キロ。右投げ左打ち。

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