関本賢太郎氏が選んだ1位は56発の村上 「全てのしぐさにスキがない」 22年野球界10大ニュース

[ 2022年12月30日 05:00 ]

関本氏が第1位に挙げたヤクルト・村上の日本選手最多56号
Photo By スポニチ

 スポニチ恒例の年末企画「関本賢太郎が選ぶ2022年野球界10大ニュース」。今年も新型コロナウイルスでさまざまな制限を課された中、ヤクルト・村上宗隆内野手(22)の日本選手最多となる56本塁打を1位にノミネート。通常紙面では語ることの少ない、その凄さに迫りました。

 【1位 ヤクルト・村上日本選手最多56発】
 関本氏は迷わず、村上の偉業を第1位に挙げた。同じ打者だったからこそ、余計にその凄さが分かる。半ば、ため息交じりで、NPBの歴史を塗り替えた破壊力を分析した。

 「タイミングの取り方、見送り方、ファウルの打ち方…。相手が鋭い洞察力を持つバッテリーだとしても、村上選手の打席内での狙いは分からないと思います。全てのしぐさにスキがないんです」

 1964年に王貞治(巨人)が55本塁打して樹立した、日本選手の最多本塁打記録を58年ぶりに更新した。その象徴的なシーンが、7月31日の阪神戦から8月2日の中日戦にかけての5打席連続本塁打。プロ野球記録の始まりとなった同日の阪神戦を、関本氏は解説者としてバックネット裏から目撃した。

 「2本目を打った時点で、3本目を打ちそうな雰囲気がありました。いわゆるゾーンに入った状態。プロの投手がもっとも警戒をしている中での連続ホームラン。阪神としても、防ぎようがなかったと思います」

 関本氏が称賛を惜しまなかったスラッガーはまだ22歳。「成長段階。完成された56発でない気がします。その凄さもありますね」。23年シーズンは一体、何本のアーチを架けるのだろうか。

 【2位 大谷104年ぶり2桁本塁打&2桁勝利】
 先発した翌日の打撃成績がめちゃくちゃ良かったようですが、投手の練習をしなくて良かったのが、要因ではないでしょうか。それ以外の日は単純に、通常の選手の2倍の練習量。残した数字もそうですが、やはり、タダモノではないですね!

 【3位 佐々木朗希 21世紀初の完全試合】
 プロの打者でも150キロを打つためには、投手の指からリリースされる前にバットを振り始めます。その150キロがフォーク…。160キロ超えの速度に目が行きがちですが、実は制球力も◎。好調時は「打てたらラッキー」という投手です。

 【4位 ノーヒッター4人】
 好投手を相手に、セ、パともに粘れる打者が減りました。ただ、表裏一体の部分もあって、追い込まれてからでは攻略が難しい。早めに仕掛けた結果、投手の球数は減り、終盤まで球威が落ちない。大記録が多発した背景の一つと考えます。

 【5位 阪神・矢野監督キャンプ前日に退任発表】
 うそをつけない、真っすぐな方です。なので、あのタイミングで今季限りと発表されたことは、とても理解できます。開幕時に4勝20敗と大失速しましたが、あそこから3位に入れたのは矢野監督の教えが浸透していたからこそだと思います。

 【6位 能見篤史18年間のプロ野球人生に幕】
 18年間に及んだプロ野球人生の、前半は本当に苦労の連続でした。あれだけ長く第一線で活躍できたのは、鋭い観察眼があったからです。野手目線も大切にしていましたし、良いことを吸収する力が凄かった。長い間、お疲れさまでした。

 【7位 阪神・岡田彰布監督復帰】
 「気がついたら勝っていた、という野球が理想」と語っておられましたが、守り勝つ野球を展開されるでしょう。前回と異なる点は15年ぶりで選手との距離があること。コーチがうまく伝えて、クッションになれるかがポイントだと思います。

 【8位 広島・新井貴浩監督就任】
 広島は3連覇を経て世代交代の時期です。そのかじ取りを託されたわけですが、ベテランをうまく乗せながら指揮を執られるでしょう。今の若い選手に上意下達のスタイルはそぐわない。若手にも寄り添いながら手腕を発揮されると思います。

 【9位 仙台育英東北勢初優勝】
 球数制限が導入された昨今の高校野球において、全国制覇するための戦い方を示した優勝でした。140キロ超え5投手による零封リレーなど、その最たるもの。今後は東の仙台育英、西の大阪桐蔭という時代が来るのではないでしょうか。

 【10位 現役ドラフト初開催】
 移籍の活性化という点でいえば良いことですが、時期については再考の余地があるのではないでしょうか。2度の戦力外通告も終わり、来季への準備を本格化していく時期。仮にシーズン中に開催できれば、活躍機会はより増えると思います。

 【番外編 奈良県出身3人ドラフト指名】
 オリックス1位の曽谷、巨人4位の門脇…。今年のドラフト会議でも、奈良県出身の選手が3人指名されました。今年は所用で不参加でしたが、ヤクルト・大西、オリックス・野口、広島・松本が初参加してくれたのはうれしい限りです!

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月30日のニュース