広島ドラ5河野は有原級 2人の恩師、広陵・中井監督が太鼓判 ロケットスタートと1軍定着期待

[ 2022年12月12日 05:00 ]

広陵・中井監督(右)の還暦のお祝いパーティーに出席し激励を受ける広島ドラフト5位の河野(撮影・奥 調)
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 広陵高野球部の中井哲之監督(60)が11日、広島からドラフト5位指名を受けた教え子の河野佳投手(21=大阪ガス)の投球について、同じく同校OBの有原航平(30=レンジャーズFA)級と太鼓判を押した。自身の「還暦を祝うパーティー」が広島市内のホテルであり、河野も参加。プロ球界で活躍を誓う右腕にエールを送り、ロケットスタートと1軍定着を期待した。

 中井監督は、河野を「すごくマジメで、すごく繊細で、すごく頑張り屋」と評した。高校入学当初は球速を出そうと力んでは制球を乱し、野手転向を言い渡したこともある教え子。だが、負けん気は強く、エースの座をつかんでからの投球は出色だったと振り返る。

 「この子は絶対にプロに行くな…と。高校時代にそう感じたのは有原と河野ぐらい。球の切れと強さですね」

 何しろ、広陵2年秋の中国大会準決勝で創志学園・西純矢(現阪神)に投げ勝ち、4安打完封。3年春の選抜1回戦でも八戸学院光星を3安打完封した実績があり、昨季は社会人野球でも最多勝、最優秀防御率、ベストナインの3冠に輝いた実力の持ち主だ。

 「絶好調の時の河野を知っている。応援団だし、親の気持ちでもある」という指揮官。日本ハムで通算60勝を挙げてメジャーリーガーとなった先輩右腕になぞらえ、その能力に太鼓判を押した。同時に、プロでの大成を願ってエールを送った。

 「先発、中継ぎ、抑え、何でもできる器用な子。どんな球種でもストライクが取れるし、勝負球もある。1軍でのスタートがうまく切れれば、乗っていけると思います」

 社会人になってもオフには必ず母校に足を運び、親身になって後輩部員たちに助言を送った。大阪ガス時代も自己管理に努め、野球に取り組む姿勢でナインの信頼を集めていたという。献身性を併せ持つ努力家。右腕の誇るべき才能だった。

 野球はもとより、中井監督のもとで人としてのあり方や周囲への感謝を学んだという21歳は、恩師のエールに気持ちを引き締める。

 「“おめでとう。でも、ここがゴールじゃない。入ってから活躍できるようにしっかり頑張れ”と言ってもらった。真っすぐの強さやマウンド度胸、勝負度胸が強み。1年目から活躍できるように頑張りたいと思います」

 河野はきょう12日、広島市内のホテルで新入団選手の発表記者会見に臨む。中井監督の教えを胸に刻み、1年目から即戦力として有原級の実力を示す。

 ○…中井監督の「還暦を祝うパーティー」が広島市内のホテルで開かれた。硬式野球部OB約230人が集まり、DeNA・佐野、広島・野村、上本ら7人の現役プロ野球選手も駆けつけた。会の合間には現役部員ら134人がサプライズで登場。同監督は「僕は何も聞かされていなかったので盛大でビックリ。お金で買えないものがここに結集し、(祝いの)言葉を頂いたとすれば、広陵の監督みょうりに尽きる」と感無量の面持ちだった。 

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2022年12月12日のニュース