阪神ドラ1・森下 輝、大山とバックスクリーン3連発再現や 「甲子園歴史館に名を刻める選手になりたい」

[ 2022年12月12日 05:15 ]

甲子園歴史館を訪れた森下は岡田監督胴上げの予行演習(撮影・大森 寛明) 
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 阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が11日、他の新人6選手とともに甲子園球場などの球団施設を見学し、体力測定も実施した。甲子園歴史館では、日本一に輝いた1985年のバース、掛布、岡田による伝説の「バックスクリーン3連発」の写真パネルに熱視線。来季は晴れて猛虎の一員として、オーダー表の大山、佐藤輝の前後に名を連ね、3連発の再現を目指す。

 森下は猛虎史の1ページに、その名を刻むことを目標に掲げた。見学に訪れた甲子園歴史館。あまたの偉業を伝える展示の中、ひときわ興味を引かれたのは伝説の瞬間だった。85年のバース、掛布、岡田による「バックスクリーン3連発」。写真パネルを食い入るように見つめた後、大きな野望を打ち立てた。

 「歴史館に名を刻める選手になりたい。バックスクリーンかはわからないですけど、ホームラン(3連発)の1人になれたら。結果を残していく中で、バックスクリーン3連発のような記録を残せたらいいなと思う」

 3連発再現には自身以外に2人の長距離打者が必要だが、すでに阪神には大山、佐藤輝という2人が主軸に鎮座している。そこに高校通算57本塁打、東都大学リーグ通算9本塁打の森下が加わるわけだ。岡田監督は大山と佐藤輝を中軸に据える来季構想を描いており、偉業達成のためにはオーダー表の2人の前後に名を連ねることが必須となる。そうなれば、決して夢物語ではない。

 この日は偶然にも佐藤輝が甲子園でイベントに参加。スタンドから視認し、「遠目だったんですけど、やっぱり体が大きい」と話したが、すでにその脳裏では肩を並べて戦う青写真を描いていたかもしれない。その佐藤輝、大山とともに中軸を担うためにも、今後は自身と同じ右の強打者として入団1年目から18本塁打を放った岡田監督を手本に技術を磨く考えも示した。

 「右打者で学べる部分が多いと思う。良い部分を、しっかり吸収して成長できれば」

 歴史館では指揮官の現役時代の映像や05年のリーグ優勝で胴上げされる写真にも見入った。そして「優勝を目指して頑張りたい」と言葉に力をこめた。

 体力測定では全種目で平均的な数値だったが、仲野伸洋トレーナーからは「バランスが取れた選手で、伸びしろを感じた」と期待を受けた。アマチュア球界随一のスラッガーとして名をはせながら、まだ成長の余地を残している事実が、スケールの大きさを物語る。

 「ここ(甲子園)で成長して、これから先1軍でやれれば」

 猛虎の記録と、虎党の記憶に「森下」の名を刻むべく、決意を新たにした。(長谷川 凡記)

 ▽阪神のバックスクリーン3連発 1985年4月17日の巨人戦(甲子園)1―3の7回2死一、二塁から、3番ランディ・バースが「無理に引っ張らずにセンター方向に打ち返すことを意識したんだ」と逆転3ラン。さらに巨人先発の槙原寛己を攻め、4番掛布雅之、5番岡田彰布も続く、3者連続でのバックスクリーンへの本塁打となった。巨人戦での逆転勝利でチームは勢いづき、バースは54本、掛布40本、岡田が35本の強力打線を形成。リーグ優勝、そして西武を下しての日本一に向け、走り続けるきっかけになった。

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2022年12月12日のニュース