【阪神・久保田投手コーチに聞く】選手のいいところを伸ばすために「言葉の力」で自信をつけさせる

[ 2022年11月8日 05:15 ]

阪神・久保田投手コーチ
Photo By スポニチ

 【虎コーチに聞く~久保田智之投手コーチ(下)】

 ――岡田監督と久保田コーチといえば、「めちゃくちゃやったれ(※)」の言葉が印象的。選手への声かけで意識していることは?
 「言葉の力は大事だと思う。選手には、自分を信じて投げてほしいと考えている。結果を出さないとなかなか自信を持てないと思うけど、今やっていることを、ある程度認めてあげないといけない。全部否定してしまったら、ドツボにハマってしまう選手もいると思う。いいところを伸ばすじゃないけど、言葉で自信をつけさせるというか。“良くなってきている”とか、“そのボールを投げられたら大丈夫だ”という言葉を、ちょこちょこ言っている」

 ――シーズンが始まったらブルペンの運用を担当する。中継ぎを送り出す時に言葉で心がけたいことは?
 「そこは普通に“頑張ってこいよ”と送り出すだけ」

 ――現役時代の豊富な救援経験から、ブルペンのマネジメントで心がけたいことは?
 「なるべく登板直前に(肩を)つくらせたいが、さすがに試合展開があってなかなか難しいと思う。できる限り、そうしたいなと思う。僕も勉強不足なところもある。シーズンは長い。選手のケアしながらやりたい」

 ――秋季キャンプで投手は直球中心に投げている。久保田コーチは直球が武器だった。中継ぎで結果を出すには直球の威力が必要か?
 「それは中継ぎだけじゃない。先発もそうだし、ピッチャーは真っすぐが軸。強い真っすぐでファウルを取れれば楽になるし、投球の組み立てもしやすい。直球の強さは求めていってほしい」

 ――2軍コーチから1軍コーチになった。感覚の違いはあるか。
 「違った感じはあるが、(秋季キャンプは)メンバーが、今まで一緒にやってきたメンバーなので。違うといえば違うが一緒と言えば一緒という感じ。若いピッチャーを1人でも多く、1軍で投げさせられるようにしたい」

 ※05年9月7日中日戦で、判定に怒った岡田監督が、マウンドで久保田を叱咤(しった)激励。ピンチを抑えて勝利への道筋を付けたことが、優勝につながった。

 ◇久保田 智之(くぼた・ともゆき)1981年(昭56)1月30日生まれ、埼玉県出身の41歳。滑川、常磐大を経て02年ドラフト5巡目で阪神入団。1年目の03年に5勝、05年はリリーフとしてリーグ優勝に貢献。07、08年に最優秀中継ぎのタイトル獲得。07年のシーズン90試合登板はプロ野球記録。14年引退。通算444試合41勝34敗47セーブ、117ホールド。防御率3.16。右投げ右打ち。

続きを表示

2022年11月8日のニュース