阪神 CS圏外転落…雨上がり不敗神話もストップ 矢野監督「逆転できるチャンスがあると信じる」

[ 2022年9月21日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4-5DeNA ( 2022年9月20日    甲子園 )

<神・D>9回、逆転を許し、悔しげな表情でベンチに戻る岩崎(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 痛すぎる1敗だ。阪神は20日のDeNA戦に4―5で逆転負けを喫し、CS進出圏外の4位に転落した。2点優勢の9回に登板した守護神・岩崎優投手(31)が、まさかの乱調で3失点。指揮を執って4年目となる矢野燿大監督(53)にとっては、初めてのシーズン勝ち越しなしも確定。カード最終戦も敗れてDeNAにシーズン16敗目と04年以来、18年ぶりの屈辱も重なった。猛虎はこのまま終わってしまうのか…。正念場がやってきた。

 最高潮に達していた歓喜の分、場内を包み込んだ落胆はあまりにも大きかった。8回に一挙3得点で逆転し、2点を勝ち越して迎えた最終回。おなじみの登場曲を背にマウンドに上がった岩崎が落とし穴にはまった。

 「逃げたわけじゃない。任せるしかなかった。それ(責任)は受け止めています」。8月にいったん配置転換も、9月に入って再び左腕にクローザーを託した矢野監督は、責めることはしなかった。だが、目の前に広がった光景はあまりにも厳しく、酷だった。

 途中出場で7番に入っていた回の先頭・宮崎に中前打を浴び、代打・大田にも右前打でつながれて不穏な空気が漂い始めた。続く関根は右飛で1死。だがDeNAの勢いは衰えない。一、三塁から桑原に右前適時打され、1点差。代打・ソトを三振に斬り、聖地には盛り返すように“あと1人”の手拍子が起き始めた。しかし次の瞬間に響いたのは佐野の快音だった。右前に運ばれ、同点。2死満塁からは楠本に勝ち越しの右前打を浴びた。最終盤のジェットコースターのような展開は、虎の悲劇で終わった。

 14日広島戦で球団左腕最多タイとなる26セーブ目を挙げていた岩崎。試合を締めくくれば記録更新のはずが一転、今季6敗目を喫した。前日19日ヤクルト戦は台風14号接近のため中止。気象による中止明けの試合は20年10月18日から11連勝中だったが、“雨上がりの虎”もついに敗戦を知ることになった。矢野監督就任4年目で初のシーズン勝ち越しなしが確定。DeNA戦のシーズン16敗は、04年以来18年ぶりの屈辱となった。

 試合前には3位で並んでいた広島、5位・巨人までゲーム差なしの大混戦。一つの勝敗が大きく運命を変える激しいCS争いの中、貴重な白星を取りこぼした。ついにCS圏外へ転落…。それでも指揮官は“痛み”を堪えて拳を握った。

 「この負けは痛いし悔しいし、流れ的には大きな1敗になるかもしれない。でも何か決まったわけではない。逆転できるチャンスがあると信じて戦っていくしかない。その思いをぶつけていく」

 指揮官にとって最後の5試合になるのか、その先はあるのか…。矢野阪神の真価が、今こそ問われる。(遠藤 礼)

 《4年ぶり70敗》阪神は今季70敗目。シーズン70敗は金本監督最終年の18年79敗以来4年ぶり。これで残り5試合を全勝でも70勝70敗3分けの勝率.500となり、シーズン勝ち越しがなくなった。こちらも18年の勝率.440以来で、矢野阪神のシーズン勝率5割以下は4年目で初めて。今季のDeNA戦は横浜スタジアムでの2勝11敗が響いて9勝16敗の大幅負け越し。DeNA戦で16敗は04年の16敗以来18年ぶり。

続きを表示

2022年9月21日のニュース