阪神・糸井が“涙”で「感動した」 引退試合で真剣勝負の森下から左前打! 通算1755安打目でお別れ

[ 2022年9月21日 20:03 ]

セ・リーグ   阪神―広島 ( 2022年9月21日    甲子園 )

<神・広>5回無死、糸井は左前打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 今シーズン限りでの引退を発表した阪神・糸井嘉男外野手(41)が、21日の広島戦の5回に代打で打席に立ち、見事に左前打を放った。

 場面は2点差を追う5回先頭だった。西純の代打で登場すると、フルカウントからの8球目、広島先発・森下の147キロ外角高め直球をはじき返し、三遊間を破る左前打。この一打で甲子園は拍手喝采の大盛り上がりとなった。近本や佐藤輝からは“盗塁”のジェスチャーも飛び出すほど、阪神ベンチも大盛り上がり。続く中野が三ゴロに倒れ、二塁に滑り込んだ糸井はあえなくアウトとなったが、ベンチに引き揚げる際には、満員の甲子園から再び大きな拍手が巻き起こった。

 引退試合では相手投手が直球のみで勝負する“お約束”もあるが、この日の阪神―広島はCS争いの直接対決で、負けたチームのシーズン負け越しが決まるという重要な一戦。広島の先発はすでに10勝をマークする森下で、真剣勝負の中、糸井は見事に安打を放った。

 阪神はその後、2死一塁から近本が二塁内野安打を放ち、菊池涼の悪送球の間に1点を追加。1打席限りで交代となったが、糸井のつくったチャンスを阪神が見事にいかした。

 糸井は、大歓声について「本当に感動したし、これが最後となると、やっぱり寂しいですけど、そんな中で、ヒットを打てて、ほんとに幸せです」と談話を発表。一塁ベースでは、ファンの大歓声にヘルメットを取ってあいさつした。「僕もうれしかったし、ほんまに、甲子園で最後の打席を迎えられて、心の底からよかった」と話し、「逆転する流れがきたと思うので、はい。勝つよ」と涙声で語った。

 糸井は投手として日本ハムに入団しながら、野手に転向して通算1754安打。6年連続、通算9度の打率3割を達成するなど、押しも押されもせぬ大打者となった。この日の試合前の打撃練習では快音を響かせ、「(引退を)撤回しようかな。見た?あの左中間の」と上機嫌で、最後までファンに雄姿を届けた。

 13日に行われた引退会見では、白い歯を見せ、スッキリとした表情で「昨日、泣きすぎて一睡もしてないので今日は泣きません」と終始、笑顔を貫いていた。

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