【甲子園】22年夏の大会傾向は「つなぎ」 仙台育英の時代変える戦い

[ 2022年8月22日 18:25 ]

<仙台育英・下関国際>優勝を決め、歓喜する仙台育英ナイン(撮影・坂田 高浩)
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 「第104回全国高校野球選手権大会」は22日、仙台育英(宮城)の初優勝で幕を閉じた。東北勢にとって悲願だった深紅の大優勝旗の「白河の関越え」。歴史的な大会となったが、数字も時代の分岐点を示す結果となった。

 今大会の本塁打数は昨夏の36本に比べ、28本と8本少なかった。ただ本塁打といった長打よりもつないで、単打で得点するケースが多く、大会の総得点は昨夏の367点に比べ、472点と100得点以上増加。対照的に完封試合は10から6に減っており、数字上では「打高投低」の傾向にあったと言える。

 5投手の継投で決勝まで勝ち進んだ仙台育英(宮城)に代表されるように「継投」が象徴的な大会となった。2020年の選抜大会から実質的に「1投手の1週間500球以内」の球数制限が導入され「絶対的エースの連投」というかつての高校野球の姿は、確実に新たなスタイルに変化してきた。今大会6試合の零封試合のうち、1投手での完封は1回戦・日本文理戦での海星(長崎)・宮原明弥投手(3年)、3回戦・国学院栃木戦の九州学院(熊本)・直江新(2年)の2人のみだった。

 優勝した仙台育英は決勝までの5試合で、のべ16人の投手を起用。計69安打で43得点をたたき出したが、本塁打はこの日、岩崎生弥(3年)が放った1本だけ。投も打もまさに「つなぎ」。今後、高校野球の主流となるであろう戦い方で勝利を重ね、頂点を極めた。

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