阪神・近本 3月台湾戦で侍招集へ「選ばれたからOKではない。そこで活躍できるようにやらないと」

[ 2022年2月7日 05:30 ]

ロングティーをする阪神・近本(撮影・平嶋 理子)
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 阪神の沖縄・宜野座キャンプに6日、侍ジャパン・栗山英樹監督(60)が視察に訪れ、近本光司外野手(27)の侍入りを示唆した。国際舞台を見据えて走力と打力の両面を高評価。実現すればプロでは初の代表入りとなり、球団の外野手としても初の快挙。また、すでに佐藤輝明内野手(22)もリストアップされており3月5、6日に予定されている台湾代表との強化試合にダブル招集される可能性が高まった。

 3月上旬に予定されている台湾との強化試合で近本の侍ジャパン入りが濃厚となった。視察した栗山監督は個人名こそ出さなかったものの栗山ジャパンにマッチした存在について言及。「(近本は)素晴らしい選手であるのは、間違いない」。当然ながら虎の切り込み隊長もリストアップ済みだ。その根拠からも招集する意向が感じられた。

 「スピードも、バットコントロールのうまさ、米国に勝つという日をイメージしたとき。やっぱりたくさん塁に出ないと話にならない。足を使えないと」

 日本の“スモールベースボール”体現へ必要な戦力と位置づけていた。代表監督からのメッセージを伝え聞いた近本も呼応した。

 「率直にうれしい。僕が逆の立場なら、そういう(足が使える)選手は必要だと思いますが、それが僕なのかは正直分からない。そういう選手は僕も欲しいなと思っています」

 23年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第一歩となる強化試合では過去2度盗塁王に輝いた俊足と昨季178安打を放った打棒の両面でアピールが期待される。特に昨年の東京五輪で決勝を戦った米国は最大のライバルになることが予想され、1点勝負となったケースを考えても、塁に出て、次の塁を狙うことができる近本は大きな存在となるに違いない。

 「WBC…。すごいレベルの野球です…」

 国際舞台で重要となる武器を兼ね備えていても、想像までには至っていない。「もっとレベルアップしないといけない。選ばれたからOKではない。そこで活躍できるようにやらないといけない」と謙虚に受け止めたが、矢野監督からは「(米国やドミニカ共和国などに)嫌がられる日本らしい野球ができるタイプ」と背中を押された。

 大阪ガス時代の18年は社会人の侍ジャパン代表としてアジア大会に出場した。5試合に先発し、16打数4安打(・250)、2打点。盗塁も1つ記録した。順位は韓国に次ぐ2位に終わったが、当時の印象について「そういう環境の中で野球ができたのは楽しかったです」と振り返った。

 プロ4年目は猛虎にとどまらず、侍のスピードスターとしても駆け回る――。その先のWBCに向けても“全力疾走”で突き進んでいく。(長谷川 凡記)

《侍ジャパン・栗山監督に聞く》

 ――阪神の印象は

 「走れる力もある。スピードある選手だったり、しっかり打てる選手だったり、すごく素材感が感じられるチーム。(矢野監督に)たくさんお願いしたらいけないとは思いつつ、いろんな確認はさせてもらった」

 ――どんなタイプの選手を求めている

 「日本野球のベースはありつつも、どういう野球にも対応できるバランスが大事になる。全ての要素をチーム全員で持ってないと勝ちきれないという思いがある」

 ――投手では及川や伊藤将が頭角を現しているが評価は

 「楽しみ。それも含めて各チームのバランス。そういう投手たちが、来年の3月の本番に入ってきてほしいという気持ちはある」

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