ソフトB・柳町 慶応ボーイの後輩・正木に負けん 実力認めつつ、残り1枠の外野争い「やるしかない」

[ 2021年12月13日 05:30 ]

<日本プロ野球選手会、体験会サポートプレジェクト>キャッチボールを指導する柳町(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの柳町達外野手(24)が12日、北九州市内で行われた野球教室に参加し、今秋ドラフト2位指名で入団した正木智也外野手(22=慶大)にライバル心をむき出しにした。ともに高校、大学は慶応。開幕スタメンを目指す来季3年目は2学年上の先輩として、し烈な外野手争いでは一歩も引かない構えだ。

 プロになって初めて野球教室に参加した柳町は、子供のように元気いっぱいだった。置きティー打撃では鋭い打球を披露し、「一番気持ち良かったです。プロ野球選手を見せられて良かった。野球を始めた時の頃を思い出したし、夢を与えるプレーをしたい」と寒空の下で3年目のブレークを誓った。

 可愛い後輩の存在が起爆剤となる。ソフトバンクが今秋ドラフト2位指名したのが慶応、慶大の後輩・正木だった。2学年下だが、大学時代はともに主軸として活躍。高校通算50発、大学公式戦13本塁打を放った実力に目を細めた。「頼もしかったですね。勝負強さも成長して、長距離砲だけど柔らかい打撃もできる」と素材の高さは認めつつ、「負けないようします」と先輩の意地を漂わせ、気を引き締めた。

 来季の外野手争いはすでに柳田、栗原が内定済み。残る枠は一つだ。正木は春季キャンプA組スタートが決まっている。定位置争奪戦には真砂、上林、佐藤直、谷川原らも参戦してくる。球春到来の2月1日から、火花が散りそうだ。

 柳町は今季、自己最多20試合に出場し、打率・229。シーズン最終戦の10月25日のロッテ戦ではプロ初本塁打をマークした。「調子が良くても悪くても普通でいることが大事。緊張はやっぱりするので、力の入れすぎは良くない」と1軍独特の緊張感を肌で味わった経験を生かす。

 映画「燃えよドラゴン」などで知られるスター俳優、ブルース・リーに似ている柳町。ドラフトは5位だったが、だからこそドラフト2位の後輩には負けられない。今オフから寮を出て1人暮らしも始め、慣れない自炊には苦戦中。「毎年、大変な1年。もうやるしかない」。表情はクールな男。ハートは燃え上がっている。 (福井 亮太)

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