中畑清氏 “ヤマ張り打者”ヤクルト・サンタナの怖さ 半速球への強さを自身で把握

[ 2021年11月24日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第3戦   ヤクルト5―4オリックス ( 2021年11月23日    東京D )

<ヤ・オ>7回、吉田凌から逆転の中越え2ランを放つサンタナ(撮影・光山 貴大)
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 【中畑清氏 シリーズ大分析1】これが、ヤマ張りバッターの怖さだ。日本シリーズ第3戦は東京ドームに舞台が移り、2戦目までの投手戦から打撃戦の展開となった。ヤクルトを連勝に導いたのは、5番のサンタナが7回に放った逆転2ラン。無安打で不振だった助っ人が、オリックス・吉田凌の得意球スライダーをなぜ狙い打ちできたのか。スポニチ本紙評論家の中畑清氏(67)が、この打席を徹底解剖した。

 狙い打ち。まさにサンタナの逆転2ランはそれだったね。さまざまな条件が整い、そして生まれた一発。この試合の勝利だけじゃない。シリーズの流れ自体を引き寄せる、値千金のアーチだった。

 7回2死一塁でカウント2ボール。外国人選手なら「1、2の3」で直球を待つケースが多いだろう。サンタナが待ったのはスライダー。自身の打撃の特長を把握した上で、吉田凌の決め球を狙ったんだ。伏線は1球目にあった。内角低め、素晴らしいコースに投げた直球がボールになった。ストライクなら、もう1球内角に厳しくいっていただろう。

 ただ、ボールにはなったが内側を1球見せた。その効果を生かすべく、オリックスバッテリーはそこから外角での攻めを選択する。2球目のスライダーがボールになり、3球目もスライダー。これがやや高めに浮いた。3ボールにはしたくないという心理で余計に甘くなったね。これが餌食になったんだ。

 サンタナのスイング軌道は、直球ではなく半速球など緩いボールに合いやすい。長い腕とともに遠心力を利用していて、ヘッドがやや遅れて出てくる。その軌道が緩いボールにばっちりと合う。加えてヘッドが遅れて出てくる分、逆方向でも芯で捉えれば打球が伸びる。オリックス側もレギュラーシーズンの傾向は把握していたはず。魔が差したかのような甘いボールだった。

 狭い東京ドームに場所を移しての第3戦。やはり一発の怖さをまざまざと思い知らされたね。ヤクルトが決勝アーチなら、オリックスも4番・杉本が6回に同点2ラン。これも逆方向だった。空中戦。まだ東京ドームでは残り2試合ある。この日と同様に、4戦目以降も継投の勝負になるだろう。リリーフ陣が勇気を持って内角を攻められるか。それこそが試合の行方を左右すると言っていいと思う。

 ≪緩い変化球に打率3割超え≫サンタナのレギュラーシーズンでのスライダーに対する打率は・313。直球よりも高く、今季19本塁打のうち8本塁打を放っている。スライダーに加えて緩い変化球にめっぽう強く、チェンジアップは球種別で最高の・393、カーブも2番目の・368と好成績を残している。

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