清原氏長男 今春慶応高卒業、4月から慶大野球部 アメフト部から再転身

[ 2021年1月18日 05:31 ]

08年、父・清原氏の引退セレモニーで花束を持って登場した長男・正吾さん(左)と次男・勝児さん
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 西武、巨人、オリックスでプレーし、プロ野球通算525本塁打を放った清原和博氏(53)の長男・正吾さん(18)が慶大野球部入りを希望していることが17日、分かった。慶応普通部(中学)―慶応高の6年間は他球技でプレーしていたが、今春の慶大進学を機に、父が一時代を築いた野球を選択。周囲からの反響は覚悟の上で、神宮球場でのプレーを目標に東京六大学の名門に挑む決意を固めた。

 正吾さんはかつて少年野球チームでプレーし、父親譲りの恵まれた体格で右打席からパワフルな打球を連発していた。ただ、中学はバレーボール、高校ではアメリカンフットボール部に所属。6年間、白球から遠ざかっていた。

 それでも野球への情熱は衰えていなかった。他球技でプレーする傍ら、清原氏に高校時代、LINEでアドバイスを求め、自主練習を積んだ。神宮での早慶戦も見学。今春からの内部進学を前に熟考した末に野球を選択し、大学側へ入部希望の意向を示した。

 中高6年間、他のスポーツに取り組みながら、東京六大学で野球をすることは異例。ただ、現役時に1メートル88、104キロの体躯(たいく)を誇った父と同様、身長1メートル90近い正吾さんの身体能力やパワーは桁外れで、現役の学生野球選手にも引けを取らないという。既に外野での守備や打撃の基礎プレーを複数回、視察した慶大野球部・堀井哲也監督は「体育会野球部として入部制限はない」と話し、支障は見当たらない。

 とはいえ、入部後は険しい道が待ち受けている。3季ぶりのリーグ制覇を目指す慶大は主将の福井章吾捕手(3年、大阪桐蔭)や今秋ドラフト候補・正木智也外野手(3年、慶応)ら甲子園経験者らがズラリ。長いブランクと闘うハンデは大きく、4年間、リーグ戦に出場できない可能性もある。

 試合に出場するメンバー入りへの道のりが過酷である上に、プロで偉大な実績を残した父と比較されるのは覚悟の上で入部する。堀井監督は、本人の話しぶりなどから「強い決意を感じた」といい、その挑戦を受け入れた。清原氏も「彼の男としての覚悟と決断を尊重したい」と背中を押す。

 正吾さんは現在、慶応高の卒業試験へ猛勉強中だという。大学側も、グラウンドのある横浜市は緊急事態宣言下とあり、合流時期は未定。晴れて一部員として活動できるのは、自粛期間が明けてからになる見通しだ。

 ≪米ではアメフトと野球の二刀流も≫米国では高校までの部活動は季節に応じて複数のスポーツを掛け持つのが一般的。秋はアメフト、冬はバスケットボール、春は野球、という具合だ。多くの種目を楽しんでバランス良く鍛え、適性も把握できる。特にアメフトと野球は親和性が高いことで知られる。NFLとMLBの二刀流だったディオン・サンダース、ボー・ジャクソンの他に、近年でもシーホークスのQBラッセル・ウィルソンら、NFLとMLBの両方からドラフト指名される学生もいる。

 ≪次男は現中3で小6時巨人Jr≫清原氏の次男・勝児さんは現在中学3年生で、小6時の17年には札幌ドームで行われた「NPB12球団ジュニアトーナメント」に巨人Jrの一員として出場。父や兄と同じ右投げ右打ちで、「4番・一塁」で2試合に出場も無安打に終わり、準決勝進出はならなかった。中学時代は世田谷西リトルシニアに所属。清原氏は昨年6月のスポニチ本紙インタビューで「中3の時の自分と比べても技術的にはいいものがある」と話していた。

 【主な元プロ野球選手2世の現役アマ選手】
 ☆今年も期待の高校生 元広島外野手・前田智徳氏の次男・晃宏は慶応(神奈川)の2年生投手で、1年時から公式戦で登板している。元オリックス投手の野田浩司氏の長男・泰司朗は甲南(兵庫)の2年生内野手。元日本ハム外野手の坪井智哉氏(現DeNA打撃コーチ)の長男・洸之介は創志学園(岡山)の2年生で、外野手としてプレーしている。
 ☆内野手一家 元ヤクルト内野手の度会博文氏(現球団スカウト)の長男・基輝は中央学院大の3年生内野手で、次男・隆輝は横浜(神奈川)の3年生内野手。
 ☆昨年ドラフト候補 元阪神内野手の関本賢太郎氏(本紙評論家)の長男・勇輔は履正社(大阪)の3年生捕手。昨年10月のドラフトでは指名がなく、大学に進学予定だ。

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2021年1月18日のニュース