【21年版・球界“新”士録(3)】阪神ドラ8・石井大 技巧派133キロ腕 探求心で変身最速153キロ

[ 2021年1月18日 08:30 ]

キャッチボールをする石井大
Photo By スポニチ

 テレビでプロ野球中継を見ていた阪神・石井大は、ぼんやりと考えた。「人ってなんでこんな速い球が投げられるんだろう?」。見るたびに、好奇心がくすぐられた。野球をしてみたい――。小学3年時に旭川スポーツ少年団に入団し、野球人生を歩み始めた。

 豊かな探究心と人一倍の努力が成功につながった。秋田高専3年夏までは変化球の切れを生かした投球主体で最速は133キロ。だが、以降の2年間は練習の自主性が高くなったことで肉体改造に着手した。YouTubeでトレーニングに精通する動画を探し求め、情報を精査した上で筋力アップに励むと、5年の卒業時には最速143キロを計測するまでになった。「あらゆる方向から野球の技術を上げるために、いろいろ吸収して頑張っている人でした」。バッテリーを組んでいた2学年後輩の高山良明さんが、成長の秘訣(ひけつ)の一端を明かした。

 四国IL・高知でもその姿勢は変わらなかった。入団2年目には、軟式野球日本代表で147キロを誇るなど二刀流で活躍した前沢力が推奨するトレーニングを導入。体の使い方を学んだこともあり約1カ月半で150キロ台に到達。3年目の9月には自己最速153キロを計測するまでになった。

 高知・吉田豊彦監督も「とにかくやってみようという好奇心を凄く持っている。情報を集めながら取り入れてみて、自分に合うものだけを選択することができる」と評価。プロの世界でも変わらない向上心を持ち、さらなる高みを目指して腕に磨きをかける。(須田 麻祐子)

 ◆石井 大智(いしい・だいち)1997年(平9)7月29日生まれ、秋田市出身の23歳。小3から旭川スポーツ少年団で野球を始める。秋田東中では軟式野球部に所属。秋田高専では2年秋からエースも3年夏は秋田大会2回戦敗退で甲子園出場なし。四国IL・高知で18年からプレー。最速153キロ。1メートル75、81キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2021年1月18日のニュース