広島・長野 成績大幅アップも500万円減更改 来季リーグ制覇へ「もっと格好いい姿を」

[ 2020年12月12日 05:30 ]

マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、来季への抱負を語る長野
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 広島の長野久義外野手(36)が11日、広島市南区の球団事務所で交渉に臨み、500万円減の年俸1億6500万円(金額はすべて推定)で契約更改した。自己最低だった移籍1年目から軒並み成績を伸ばした今季。チーム最年長の実力者はそれでも「もっとできた。もっと格好いい姿を見せたい」と力を込め、チーム目標にリーグ制覇を挙げた。

 ウイットに富む長野ワールド全開の会見だった。冗談とも本気ともつかない表現で笑いを誘い、金額や個人目標などへの質問は巧みにはぐらかす。移籍2年目の成績を問うた答えには、しかし、実力者らしい強烈なプライドをにじませた。

 「満足できる数字は一つも無かった。もっとできたし、ファンの人にもっと格好いい姿を見せられるように、もっと頑張らないといけないと思った」

 9月22日の巨人戦で史上39人目の全12球団本塁打を、10月31日の中日戦では通算150号を達成した今季。95試合で打率・285、10本塁打、42打点は、自己最低だった昨季から軒並み数字を伸ばしたが「去年と比べて…と言われると恥ずかしい」と首を横に振る。

 キラリと光る得点圏打率・403にも「まだまだ打てば、チームはもっと勝てた」と自戒。打率・440、1本塁打、8打点をマークした代打成績にのみ「先発でも打てないのに、1打席で打つのは難しいと割り切って打席に入った」と打ち明け、満足感に浸った。

 新春は「山にこもって走り込み、下半身をつくる」と意気込む36歳。チーム最年長になるが「僕より顔が老けている1歳年下の松ちゃん(松山)が最年長と思ってやる」。目標への質問にも「本塁打50本」と切り出した後「誠也が打つと思うので楽しみ」と笑う。

 一方で、2年連続Bクラスに終わったチームには危機感をあらわにした。今季の低迷を「すごく悔しかった」と振り返り、移籍3年目に向けては「Aクラスではなく、優勝するという目標をみんなで持って戦わないと厳しいかな…と思う」と言葉に力を込める。

 鈴木清明球団本部長は「内容はいいけど、やはり打席数。もう少し立ってほしい」と微減の理由を説明。その上でベテランに「もうそろそろレギュラーでやってほしい…と話した。老け込む年じゃないし、それだけの能力はある」と期待した。

 無論、本人もそのつもりだ。「やっている以上は毎日試合に出たい」。もっと頑張る、もっとできる――。広島で美酒を味わうために長野の挑戦は続く。(江尾 卓也) 

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2020年12月12日のニュース