少子化で野球人口減少深刻 32年ぶり14万人割れ 16年連続の参加チーム減少で現在3730校

[ 2020年12月12日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会・21世紀枠候補9校発表

21世紀枠地区推薦校
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 【記者の目】今夏、代替大会の山梨大会に市川・峡南・増穂商・青洲(せいしゅう)の連合が出場した。初戦で敗れたがユニホームは違えど必死に白球を追う姿がスタンドの涙を誘った。特に峡南は72年夏、83年春と甲子園に出場した古豪だが、今夏は滝沢翔哉外野手(3年)が唯一の部員。コロナ禍でもたった1人で創部70年以上の伝統をつなぎ、現校名最後の夏を締めくくった。

 少子化による野球人口減少は深刻だ。日本高野連は12年、それまで統廃合する学校のみ認めていた連合を、部員8人以下の2校以上の高校が組むことも認めた。昨夏の地方大会は03年以降16年連続で参加チームが減少し3730。逆に連合は前年から5チーム増の86だった。今年の部員数も、7月時点で88年以来32年ぶりに14万人を割り込んだ。

 峡南の滝沢は試合後「違うチームなのに後輩が自分のために泣いてくれた」と涙した。富山北部・水橋でも、閉校を知りながら水橋を選んだ2人がいる。力を合わせ、泣き笑った経験が連合の最大の武器。センバツ出場がかなえば全国の連合校に大きな希望となる。(アマ野球担当キャップ・松井 いつき)

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2020年12月12日のニュース