富山北部・水橋 連合校初の甲子園へ“第一関門”突破 センバツ21世紀枠候補に選出

[ 2020年12月12日 05:30 ]

北信越代表に選出された富山北部・水橋の連合チーム
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 日本高野連は11日、第93回選抜高校野球大会(来年3月19日から13日間、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。北信越地区では富山北部・水橋(富山)が連合チームでは初選出。連合チームの甲子園出場は春夏通じて過去に例がない。出場3校は一般選考の29校とともに、来年1月29日の選考委員会で決定する。

 吉報が届いたのは午後3時30分だった。練習中だったナインを集めた笹野祐輔監督(31)が候補校9校への選出を伝えた。清水周道(しゅうどう)主将(2年)は「まず、県の代表に選んでもらって、そこから第一関門で選んでいただいてうれしかったです」と喜びを口にした。

 富山北部と水橋は少子化に伴う再編により今年4月、全国でも珍しい「くすり・バイオ科」や「情報デザイン科」などを設置した新たな富山北部として開校。ただ、2年生以上はそれぞれの学校に所属しており、野球部は新、旧富山北部と水橋の3校連合チームとして今秋、始動したばかりだった。

 合同練習は月、水、金の週3回。水橋の2選手が河井悟前監督の車で20分ほどかけて、富山北部のグラウンドへ向かう。練習時間の確保、調整などの困難を克服しながら秋季北信越大会出場を果たしたことなどが、選考理由に挙げられた。「富山北部だけでは絶対この結果になっていない。水橋高校がなくなるという思いを北部の子たちも背負って戦えた結果がこうなった」と笹野監督。統合を知りながら入学を決めた水橋の中川凌輔外野手(2年)は父と兄が水橋野球部OBでもあり「先輩たちがここまでやってきたので、自分たちが頑張らないといけないと思う」と決意を新たにした。

 49年創部の富山北部は春夏2度、甲子園に出場。69年夏は8強入りし“日本海旋風”で甲子園を沸かせた。水橋も19年夏に富山大会4強入りの実績がある。3校の部員をまとめる清水主将は「今から(出場校決定の)1月29日まで明確な目標を持って取り組める。各自の技術面や体を大きくして、頑張っていきたいと思います」。出場がかなえばそれぞれのユニホームで、夢の聖地に立つ。(須田 麻祐子)

 ▽過去の連合チームによる快進撃 連合チームでは06年夏の奈良大会で斑鳩・法隆寺国際が決勝進出。連合チーム史上初の甲子園出場まで近づいたが、天理に敗れた。同年秋の大分大会では豊後大野市にある三重、三重農、緒方工の3校が「豊後大野連合」として準優勝し九州大会に出場。21世紀枠の県推薦校に選出されたが地区候補校には残れなかった。

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