ダルビッシュ バウアーとサイ・ヤング賞“歴史的”一騎打ち!最多勝決定的で米記者評価も真っ二つ

[ 2020年9月27日 02:30 ]

インターリーグ   カブス10―0ホワイトソックス ( 2020年9月25日    シカゴ )

ホワイトソックス戦に先発したカブスのダルビッシュ有(AP)
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 快投締めだ。カブスのダルビッシュ有投手(34)が25日(日本時間26日)、ホワイトソックス戦で、7回を3安打無失点、5奪三振。リーグ単独トップの8勝目(3敗)を挙げ、日本投手初の最多勝を決定的とした。同様に日本投手初のサイ・ヤング賞獲得に向けた争いは、レッズのトレバー・バウアー投手(29)と一騎打ちの様相。スポニチ本紙の奥田秀樹通信員(57)が両投手を比較分析し、その行方を占った。 

 地元紙「シカゴ・サンタイムズ」でカブスを担当するゴードン・ウィッテンマイヤー氏は、今季ナ・リーグのサイ・ヤング賞の投票を割り当てられている30人の記者の一人だ。彼は「まだ決めていないが、相当な接戦になるだろう」と話した。頭一つ抜けていた感があったバウアーに、ダルビッシュがこの日の好投で迫ったからだ。

 「打者を封じ込めた」という点ではバウアーに軍配が上がる。防御率1・73はダルビッシュの2・01を大きく引き離して1位。リーグで唯一100奪三振に到達し、被打率・159、1イニング当たりに許した走者を示す「WHIP」は0・79で、いずれも1位である。

 一方で、ダルビッシュは8勝、クオリティースタート(QS=6回以上自責点3以下)10回、好投手の指標である「K/BB(奪三振÷与四球)」6・64などでバウアーを上回る。メジャー最低年俸レベルの選手に比べ、どれだけ勝利数を上積みできたかを示す勝利貢献度数「WAR」もリーグトップの3・0。チームは地区優勝マジック1としており、文字通り「チームへの貢献度」という部分では、ダルビッシュの方が勝っている。

 「09年並みの僅差になるだろう」とウィッテンマイヤー氏。09年のナ・リーグの同賞争いは、ジャイアンツのリンスカムで100ポイントで、2位のカーペンターは94ポイント、同僚のウェインライトは90ポイントと、カージナルスの両右腕との大激戦だった。最多の1位票(12票)を獲得したのは3位のウェインライト。現在の投票方式とは異なるが、この時は1~3位票をまんべんなく得たリンスカムが2年連続の栄誉を手にした。

 30人は、それぞれの尺度で投票する。最新の指標を重視する記者も、勝利数を重視する記者もいる。シーズン最終盤のデッドヒートにより、投票も史上まれに見る激戦が展開されることは確かだ。(奥田秀樹通信員)

 ▽サイ・ヤング賞 投手のMVPに相当。MVPや新人王などと同様にBBWAA(全米野球記者協会)に属する記者の投票で選ばれる。各記者は毎年、「○リーグの△賞」などと投票する担当が異なり、その割り当ては今月1日にメールで通達。レギュラーシーズン最終戦終了後から投票の受け付けが始まり、締め切りは29日(日本時間30日)のポストシーズン開幕直前まで。例年、受賞者は11月中旬に発表される。

 ▽投手主要3部門の日本勢タイトル獲得 過去3例あり、いずれも最多奪三振。95、01年の野茂英雄(95年はドジャース、01年はレッドソックス)、レンジャーズ時代の13年のダルビッシュ。現在7勝のパドレスの右腕デービーズは26日(日本時間27日)に登板予定だが、レギュラーシーズンは27日(同28日)に終了予定。勝っても8勝止まりになる。

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