楽天・石井GM DJ・ジョンソン獲得に「来季も見据えて」 コロナ禍を考慮した戦略的トレードか

[ 2020年9月21日 17:09 ]

広島から楽天に加入したDJ・ジョンソン(撮影・岡田 丈靖)
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 楽天は21日、広島から金銭トレードでDJ・ジョンソン投手(31)を獲得したことを発表した。新型コロナウイルスの影響で9月末まで延長された補強期限を前に、今季3件目となるトレードを成立させた。石井一久GMの「今季の強化に重点を置いているが、来季も見据えた補強」という説明には、「コロナ禍」を意識した戦略が垣間見える。

 シーズンは終盤戦に突入するが、チームにとって勝ちパターンの継投を任せられるリリーバーの獲得は急務だった。開幕時に「勝利の方程式」を担っていた森原とシャギワは成績不振で2軍調整中。現状は8回に牧田、9回はブセニッツで固定しているものの、当初のプランが崩れた代償は大きかった。

 チームは首位・ソフトバンクと7ゲーム差の3位につけているが、例年と違って今季はクライマックス・シリーズに進出できるのは上位2チームのみ。石井GMも「ブルペンが大変なところもある」と話すように、再浮上には救援陣の整備は不可欠だ。そこで白羽の矢を立てたのがDJ・ジョンソンだった。

 来日1年目。150キロ超の速球にパワーカーブとチェンジアップを織り交ぜるパワー系右腕で、石井GMは「昨オフの補強リストには入っていた選手。調査はずっとしていた」と明かす。広島はセットアッパー候補として獲得したが、14試合で0勝0敗1ホールド、防御率4・61。期待されていたようなパフォーマンスは発揮できていなかった。

 DJ・ジョンソンが楽天にとって効果的なピースになるかどうかは未知数だが、石井GMは「リーグや環境が変われば、もうひとつ上にいく可能性はある。来年も(楽天で)メンバーとして名を連ねるのかも含めて見極めたい」と説明する。

 外国人選手の獲得は「宝くじ」と表現される。能力が高くても日本の野球や環境に適応できなれば結果は残せない。「コロナ禍」は来年以降も尾を引く可能性があり、新助っ人の補強は今後も難航することが予想される。それだけに、他球団の余剰戦力を残りのシーズンでテストするという戦略は理にかなっている。 (重光 晋太郎)

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