ヤクルト・青木 球団通算8000号!土屋1号から70年「長い歴史に名を刻むことができてうれしい」

[ 2020年7月12日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト9―4巨人 ( 2020年7月11日    ほっと神戸 )

<巨・ヤ>初回2死、青木は先制ソロホームランを放つ(撮影・森沢裕)
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 ヤクルトが11日、首位の巨人を9―4で下し0・5ゲーム差に迫った。ほっと神戸での一戦は、雨天中止で1日遅れとなった「有観客開幕」。初回、青木宣親外野手(38)が左中間に球団通算8000号となる3号ソロを放った。7回にも中越え2点二塁打で1分けを挟む今季初の3連勝に貢献。昨季最下位のヤクルトが、12日に巨人から昨年4月20日以来の首位を奪う。

 ほっと神戸の左翼席に散らばったヤクルトファンの手招きに吸い寄せられるように、打球はスタンドに到達した。初回2死。青木はサンチェスの真ん中に来た154キロ直球を逆らわず流し打った。

 「メモリアルアーチをお客さんが入っている中で打ててうれしい。ギリギリ入ってくれた。ヤクルトの長い歴史に名を刻むことができてうれしく思う」。4日のDeNA戦で7999号。チームは4試合アーチがなく、5試合ぶりの3号ソロは8000号となった。2点リードの7回にも2死一、二塁から鍵谷の抜けたフォークを捉え、ダメ押しの中越え2点二塁打を放った。

 コロナ禍により開幕は延期。6月19日の開幕後も無観客が続いた。前日の巨人戦が雨天中止となり、初の有観客となったこの試合。得点シーンでは左翼席に陣取ったファンの傘が踊った。恒例の応援。帰って来た風景に「見られることで刺激になる。お客さんの前でプレーできることを本当に幸せに感じた」。ヒーローインタビュー後は、左翼席の声援に右手を上げて応えた。

 開幕の中日戦前に高津監督に促され、あいさつ。野手最年長の38歳は「言うほど差はない。一歩踏み出せば、もう一歩踏み出せる。その気持ちを持ち続ければ絶対勝てる」と選手に語りかけた。その青木の2安打3打点の活躍に高津監督は「主将らしく引っ張ってくれている。8000号にふさわしい男」と称えた。

 今季初の3連勝。首位・巨人に0・5ゲーム差に迫り、きょう12日も勝てば昨年4月20日以来となる単独首位に立つ。「この時期なので意識はしていない。一歩ずつ前進していけるように」と高津監督。最下位からの巻き返しへ、8000号が号砲となった。(黒野 有仁)

 ≪2リーグ制後に誕生した球団では3球団目≫青木の今季3号がヤクルト通算8000本目の本塁打となった。8000号は巨人、西武、中日、ソフトバンク、オリックス、広島、日本ハム、阪神に続く9球団目。2リーグ制後に誕生した球団では西武、広島に次ぐ3球団目となった。球団第1号は国鉄時代の50年3月24日巨人戦で土屋五郎が記録している。球団最多本塁打は池山隆寛の304本。青木は113本で歴代18位につけている。

 ≪生観戦に歓喜≫ほっと神戸に駆けつけた巨人とヤクルトのファンは久しぶりの生観戦を喜んだ。妻と息子と訪れたG党の会社員、中山健介さん(44=大阪府堺市在住)は「10試合分チケットを買っていましたが開幕延期で全て払い戻して新たに買いました。球場で見られてうれしい」と笑顔。感染予防で制限される応援については「本当はタオルを回したい」と願った。ツバメ党の会社員、江崎節さん(48=東京都渋谷区在住)は「プロ野球がない期間は退屈だった。私にとっては3度の飯を食べるようなもん。野球を見るのは子供の頃から日課」と声を弾ませた。

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