オリックスに救世主!“都立の星”鈴木、プロ1勝が“史上初”の勝利!7連敗中のチーム救った

[ 2020年7月2日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス6-0西武 ( 2020年7月1日    メットライフD )

<西・オ(2)>プロ初勝利に西村監督と笑顔を見せるオリックス・鈴木優(撮影・白鳥 佳樹) 
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 オリックス・鈴木優投手(23)が1日の西武戦で今季初先発し、プロ初勝利を挙げた。5回を無安打無失点に抑え、チームの連敗を7で止めた。ドラフト制以降に都立高から直接プロ入りした投手では史上初の勝利。エースの山岡ら主戦投手が負傷離脱する中で、「都立の星」が救世主となった。

 手負いのオリックスを救ったのは、高卒6年目の「都立の星」だった。鈴木は受け取った記念球を大事そうに握りしめた。

 「6年かかってしまったけど、やっと1勝できた。たくさんの方に支えてもらって、それが良い結果につながってうれしいです」

 アクシデントに見舞われてギアを上げた。4回先頭の森への3球目、初回から数えて53球目に右手がつった。一度ベンチへ下がり治療。「右手がつってから投球内容を覚えていないくらい集中した」。戻ったマウンドで森、山川を2者連続空振り三振、最後は外崎を三ゴロに退けた。

 140キロ台後半の直球を高めのつり球に、ツーシームや縦のスライダーを低めに集めて5回を無安打無失点で7奪三振。チームに10日ぶり2勝目をもたらし、西村監督からも「素晴らしい投球だった」と称えられた。

 「高低」を意識した立体的な投球スタイルの土台には超大物の金言がある。昨冬に参加したプエルトリコのウインター・リーグで17年に野球殿堂入りした強肩強打の名捕手イバン・ロドリゲス氏と対面。フライボール革命が進む中、メジャー捕手最多2427試合出場、13度のゴールドグラブ賞を誇ったレジェンドから「インハイ」の重要性を説かれ、飛躍のヒントを得た。

 昇格した6月26日は左脇腹負傷のため3球で緊急降板した山岡を好救援。抜てきされたプロ2度目の先発で大仕事をやり遂げた。「次は長いイニングを投げられるように」。鈴木の快投劇で、オリックスが暗すぎるトンネルを抜け出した。(湯澤 涼)

 ◆鈴木 優(すずき・ゆう)1997年(平9)2月5日生まれ、東京都目黒区出身の23歳。小4で野球を始める。目黒四中では目黒バックスに所属し主に捕手。都雪谷で投手に転向し、1年秋からエース。3年夏は東東京大会8強で甲子園出場なし。14年ドラフト9位でオリックス入り。1メートル81、83キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は530万円。

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