阪神・藤浪らと会食の女性2人が新型コロナ感染 3選手感染から拡大危機

[ 2020年3月29日 05:30 ]

阪神の藤浪
Photo By スポニチ

 27日に藤浪晋太郎投手(25)ら3選手の新型コロナウイルス感染を発表した阪神が28日、さらなる感染拡大の危機に陥った。この日は球団から新たな報告者は出なかったものの、大阪府が、藤浪らと14日に会食していたとみられる大阪市在住の20代女性2人が感染したと発表。今は症状が出ていない阪神の他の4選手が感染している可能性は否定できなくなった。

 「一挙3選手のコロナ感染」という衝撃的な発表から一夜明けた阪神に、さらなるショックなニュースが届いた。球団からは新たな報告はなかったものの、28日夜に大阪府が15人の新感染者と、その中の大阪市在住の20代女性2人が既に感染が判明していた阪神選手と食事していたことを発表。発症の時期からも、藤浪ら選手7人と外部の人間5人の12人で会食したとされる14日に同席していたことが濃厚となった。

 女性らの感染が発覚前のこの日午後には谷本修球団本部長(55)が報道陣に対応。現在入院している藤浪、伊藤隼、長坂の3選手については「良くなっている。概ね治っている人もいる。(退院は)陰性という結果が出ないと」とした。14日の会食で藤浪らと一緒だった残りの4選手については、体調の異変などの報告はないと明言。その上で「本当に恐怖でした。あの半日で3人が。元気にしていて、みんな陽性というのは、おびただしく広がる可能性があるなと。数人しか行っていない中で3人というのはもう、聞いてるクラスター発生、と類似ですよね」と集団感染への強い警戒心を示していたところだった。

 感染源は特定されていないものの、今回の女性2人の感染で14日の会食で拡散した可能性が一層、高まった。残りの4選手の体調、行動履歴や、他の参加者はいなかったのかなど、球団としても今後より聞き取り調査を進めていく必要性も出てきた。藤浪ら3選手や女性2人も症状自体は軽症だけに、自覚症状のない感染者がいても不思議ではない。

 日程通りなら京セラドームで広島戦が行われるはずだった日。球団職員も出勤日だったが、26日から1週間の自宅待機となった。谷本本部長や少数の職員以外は出勤せず、球団事務所入口のシャッターも下ろされたまま。甲子園球場や室内練習場も静まりかえり、数人の選手が荷物整理にクラブハウスを訪れただけだった。

 現時点で4月2日から再開予定のチーム活動について同本部長は改めて「わからない」と強調。「総括すると、今は危機的な状況がこれ以上広がらないようにおとなしくしています」と話し、慎重に事態の推移を注視していく方針だったが、さらなる窮地に立たされた。(山添 晴治)

【阪神選手の感染経過】

 ▼3月14日 藤浪、伊藤隼、長坂ら阪神7選手を含む計12人で、大阪市内の知人宅で会食。

 ▼24、25日 藤浪が「ワインやコーヒーの匂いがしない」と嗅覚の異常を訴え、24日に兵庫県内の耳鼻咽喉科と内科の2つの病院で、25日朝にはチームドクターに紹介された別の病院で診察を受ける。

 ▼26日 藤浪が、「味噌汁の味がしない」と味覚に異常を訴えた伊藤隼、長坂とともにPCR検査を受診。正午に球団が検査を受けた事実を公表した。午後3時半に施設を完全閉鎖。深夜に3選手の新型コロナウイルスの感染が判明。

 ▼27日 阪神が3人の新型コロナウイルス感染を発表。揚塩球団社長は「ファン、関係者の皆さま方に不安、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません」と謝罪。長坂は未明に兵庫県内、藤浪、伊藤隼は午後に大阪府内の病院に入院。セ・リーグは臨時理事会を開く。

続きを表示

2020年3月29日のニュース