【内田雅也の追球】それでも、救援勝負――自慢の継投で敗れた阪神

[ 2019年9月5日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神5―7DeNA ( 2019年9月4日    横浜 )

延長10回1死一塁、筒香にサヨナラ弾を浴び肩を落とす能見(撮影・大森 寛明)
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 阪神としては絶対に落としてはいけない試合だった。大量4点を先取しながらも2~5番に本塁打、4発を浴びての逆転負けである。

 何より、自慢の救援陣で逆転されたのが痛い。島本浩也は佐野恵太に適時二塁打を浴びた。ピアース・ジョンソンはその佐野に来日初の被本塁打となる同点弾を浴びた。最後は能見篤史が筒香嘉智にサヨナラ2ランを浴びて沈んだのである。

 クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた正念場の9月。特に目の上の横浜、広島と戦う今回のロードは命運を握っている。その初戦に、この痛恨である。

 この日の横浜市の最高気温は23度だった。真夏日どころか、夏日でもない。時折小雨も降るなか、涼しい風が吹いていた。

 ただ、夏バテならぬ秋バテという言葉がある。秋になり、だるい、食欲がない、めまいがする……など、夏の疲れが出てくるのを言うそうだ。

 シーズン終盤を迎えたプロ野球も疲労との勝負になる。この点で阪神に有利な数字がある。

 共同通信のデータサイト「翼」を基に今季のセ・リーグ救援投手の積算投球数の上位者を出してみた。以下に記してみる。(記録は3日現在)

 投手名 (所属)  投球数
(1)梅 野  (ヤ)  1067
(2)マクガフ (ヤ)  1051
(3)フランスア(広)  1028
(4)エスコバー(D)  1023
(5)国 吉  (D)  1013
(6)三 嶋  (D)   974
(7)ハ フ  (ヤ)   965
(8)石 田  (D)   959
(9)レグナルト(広)   956
(10)近 藤  (ヤ)   931

 最多はヤクルト・梅野雄吾の1067球で、1000球超えがDeNAのエスコバー、国吉佑樹ら5人いる。ヤクルトやDeNAで登板過多ぎみなのが分かる。

 上位10人に阪神勢はいない。ようやく14位に836球で藤川球児があがる。阪神ではピアース・ジョンソン802球、島本浩也778球、能見篤史680球……と続く。

 つまり、リーグ最高と言える救援陣は疲労を分散させてきているわけだ。監督・矢野燿大や投手コーチの福原忍、金村曉が管理してきたのだろう。今こそ、たくわえた力を出す時だ。

 1つの試合の終盤はもちろん、シーズンの終盤勝負で、これは強みとなるのではないか。まだまだ続く「一戦必勝」の試合。秋バテのない、自慢の救援陣を前面に押し立て臨みたい。

 もちろん、この夜は継投策が失敗に終わって手痛い星を落とした。救援陣も誤算だったろう。

 こんな時は、大リーグ歴代3位の監督通算2728勝をあげた名将、トニー・ラルーサ(アスレチックス、カージナルスなど)の言葉を思い出したい。

 「野球にがっくりは付き物だ。問題はその後だ」

 もちろん、心が痛む夜だろう。だが、必ず朝は訪れ、そしてまた新たな戦いが待つ。まだまだ、やり返す機会はある。また、継投で勝っていこうではないか。=敬称略=(編集委員)

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