DeNA、筒香サヨナラ弾で2・5差!4番復帰即一発回答 4点差逆転「誰も諦めていなかった」

[ 2019年9月5日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA7―5阪神 ( 2019年9月4日    横浜 )

延長10回1死一塁、サヨナラ2ランを放ちガッツポーズを見せる筒香(撮影・会津 智海)
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 DeNAの筒香嘉智外野手(27)が4日、阪神戦の延長10回1死一塁から右翼席へサヨナラの27号2ランを放った。この日は3球場でサヨナラ本塁打が3発も飛び出した。約1カ月ぶりに4番に戻った主砲が4時間18分の熱戦にピリオドを打ち、67年以来史上2度目のミラクルデーも締めた。チームは首位・巨人と2・5ゲーム差まで接近し、逆転優勝の夢も膨らんできた。

 叫んだ。打球の行方を一瞬だけ確認した筒香は、声にならない雄叫びを上げてバットを放り投げた。これほど感情を表現する主砲はめったに見られない。走りながら両手を掲げて一塁ベンチを見る。歓喜する仲間。降り注ぐ大歓声。帰ってきた4番打者が興奮のフィナーレをもたらした。

 「点差が開いても誰も諦めていなかった。必ず勝てるとみんなが信じていた」。4点差をじわじわと追い上げる。ロペスがソトが、佐野が一発。そして真打ちは田代チーフ打撃コーチに「決めてこい!」と送り出された延長10回、1死一塁で右翼上段へのサヨナラ27号2ランだ。サヨナラ弾は17年7月23日の巨人戦以来、2年ぶり4本目。2~5番がアーチ競演。その中心に筒香がいた。

 「もちろん、チームの4番には責任感もある。(試合に臨むにあたって)多少は違ったと思う」

 4番で出場予定だった前日は落雷でノーゲーム。この日が8月7日以来、23試合ぶりの4番復帰戦となった。慣れない2番を打つ「球界の4番」に、田代コーチは「打順は考えるな。自分の打撃をしろ」と何度も言い聞かせた。それでも筒香には迷いが見られたという。主将。全てをチームにささげる男は「2番はいろいろなことも考えるし…」。2番としての打撃スタイルも模索するべきか。しかし、筒香は筒香だ。一発で決める。「回したくない、相手に嫌だと思われる打者になりたい」という自らの存在意義を証明した。

 「4番に戻した日に4番の仕事をしてくれた。4番・筒香で優勝したい。ファンもそう思っている」。ラミレス監督の声にも興奮がにじむ。8月30日の広島戦から全員が同じTシャツ姿で練習する。「一生残る、一瞬のために。」――。筒香ら選手が新たに考案したスローガンだ。この日の一瞬だけではない。21年ぶりのリーグ優勝という「最高の一瞬」へと突き進む。

 首位・巨人とは2・5ゲーム差。直接対決を6試合も残す。「今日は全員で勝ち取った勝利。全員が100%の力を発揮すれば、必ずいい結果になる」。残り17試合。帰ってきた4番がラストスパートをかける。 (鈴木 勝巳)

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2019年9月5日のニュース