阪神 マルテ 甲子園デビュー OP戦8打席目で初安打「いい感じでコンタクトできた」

[ 2019年3月10日 05:30 ]

オープン戦   阪神3―3日本ハム ( 2019年3月9日    甲子園 )

7回無死、マルテは左翼線二塁打を放つ(撮影・山口 和洋)
Photo By スポニチ

 阪神のジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が9日、今春甲子園での初戦となった日本ハムとのオープン戦で初めて「4番・三塁」で先発。7回にオープン戦初安打となる二塁打を放つと、鳥谷の中前打で制止がかかる中で本塁に激走し一時勝ち越しのホームを踏んだ。

 矢野阪神では初となる甲子園での一戦は、新助っ人マルテにとっても本拠地デビュー戦だった。「4番・三塁」で初めて出場した背番号31――。猛虎にとっては特別な意味合いがあるのは確か。見えない力に後押しされたのか、鳴りをひそめていた白木のバットから待望の快音が響いた。

 「いい球だったと思うけど、いい感じでコンタクトできた。その中で結果が出たのは良かったと思うよ」

 同点の7回、先頭で迎えた第3打席だった。相手は昨季52試合に登板した成長株の右腕・石井直。1ストライクからのフォークを振り抜いた打球は強烈なライナーで左翼線に伸び2バウンドでフェンスに到達する二塁打。自身オープン戦8打席目での初安打だった。

 来日初実戦だった2月11日の紅白戦。31番の大先輩、掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザーが視察する中、初打席で左越え本塁打。2打席目は中前適時打と鮮烈デビューを飾った。ただ、その一打を最後に当たりは止まった。実戦では11打席ぶり、約1カ月ぶりの快音を喜ぶかのように塁上で両手をたたいた。

 ハッスルぶりは打つだけじゃなかった。1死後、鳥谷の中前打で二塁から激走。藤本三塁ベースコーチの制止を振り切り本塁を陥れた。「自分のタイミングで行ったけど、コーチ(の指示)はリスペクトしないと。セーフにはなったが、直さないといけない部分がある」と反省を忘れなかった。

 一方で、アグレッシブな姿勢を矢野監督は高く評価した。「1本出たのは本人的にも(よかった)ね。違う国で野球をやるのは大変なこと。自分の中の安心材料というか。ランナー(の時)もね。意外に走ったら走れるかも。試合になったら面白いというか、違う部分も見えてくる」。

 三塁の守備では2回の杉谷の強烈な打球こそ前に弾いて内野安打としたが、逆シングルで捕球するなど4つのゴロをアウトにした。指揮官も「守備がすごいじゃん。すごいって言うとアレだけど。(三塁を)できるっていうことが分かるだけでね」と高評価だ。「4番・三塁」は大山と競合。31番が再びホットコーナーで輝くようなら、チームの総合力は格段に増す。(山添 晴治)

 《1万1107日ぶり》マルテが実戦初の「4番・三塁」で出場。阪神の背番号31が4番・三塁を務めたのは88年掛布の現役ラストゲームの10月10日、ヤクルトとのダブルヘッダー第2試合(甲子園)以来。オープン戦ではあるが、1万1107日ぶりの“復活”となった。

続きを表示

2019年3月10日のニュース