稲葉侍 米に最多5勝締め 計7盗塁に強み実感「やっぱりスピード」

[ 2018年11月16日 05:30 ]

日米野球第6戦   侍ジャパン4―1MLB選抜 ( 2018年11月15日    ナゴヤD )

<MLB選抜・侍ジャパン>MLB選抜を相手に5勝目を挙げた稲葉監督(左)は(右から)岩貞、笠原とともにナインを出迎える(撮影・成瀬 徹)
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 侍ジャパンはMLB選抜を4―1で破り、最終戦を3連勝で飾った。2回無死満塁から9番の源田壮亮内野手(25=西武)が走者一掃の先制三塁打を放ち、逃げ切った。既に2大会連続の勝ち越しを決めており、対戦成績は5勝1敗。5勝は日米野球(対MLB選抜)で最多勝利数となった。金メダルを目指す2020年東京五輪に向け、稲葉ジャパンは大きな収穫を得た。

 悲願の東京五輪金メダルへ、まいた種は芽吹き始めた。稲葉監督は、それをはっきりと自覚していた。日米野球最多の5勝。敗れたのは1度だけでメジャーを圧倒してみせた。

 「チーム全員がこのジャパンに対して強い気持ちを持ってくれた。これが一番の要因だったと思います」。終盤の粘りからの逆転勝ちが3度もあった。その粘りと勝負強さこそ、昨年の就任以来求めてきた結束力の証だ。最終戦も2回に先頭・山川の四球と森、外崎の連打で無死満塁とし、源田の走者一掃の右翼線三塁打で先制した。さらに菊池の犠飛で生還し、西武カルテットで4得点を挙げた。

 練習初日の6日、内野は菊池、外野は秋山と昨年のWBCなど代表経験のある2人をリーダーに指名した。「“しっかり任せてください”と心強い言葉をいただいた。彼らが先頭に立ちやってくれた。柳田選手も疲れが残る中、全力でやってくれた。それに若い選手がついていった」。シリーズ序盤は代表経験者が結果と背中で示した。その間に、初のトップチームの重圧も加わり不振で苦しんだ山川、岡本ら若い力が本来の姿を取り戻した。

 日本の強みを「やっぱりスピード」と改めて実感した。日本の7盗塁に対しメジャーは3盗塁。「スモールベースボールとは言わない。スピード野球。そしてパワーも世界で勝つために必要」。掲げる「スピード&パワー」の実践。田中和、全試合安打の上林、源田らがスピードを示し、求めるパワーも柳田、岡本がメジャーに匹敵する豪快弾を放った。

 「ベテランから若手まで一つになれた。侍ジャパンとして前に進めたシリーズ。東京五輪へ向け、非常にいい6戦を戦えた」。“試せる一年”と位置付けた18年は最高の形で終えた。賞金総額9000万円をゲット。それ以上にプライスレスなでっかい手応えが、指揮官の全身に残っていた。 (後藤 茂樹)

 ▼源田(2回に先制の3点三塁打)メジャー相手にここまでできるんだとみんな感じたと思う。2年後へ向け、さらにモチベーションも上がりました。

 《日本5勝は最多記録》日米野球は日本の5勝1敗で全日程を終了。大リーグ(MLB)選抜との対戦では90年4勝3敗1分け、14年3勝2敗に次ぎ2大会連続3度目の勝ち越しとなった。また、同一シリーズで日本の5勝は前記90年の4勝を上回る最多記録。この日は2回源田(西)が勝利打点となる満塁走者一掃の三塁打を放った。戦後、大リーグ選抜相手に満塁走者一掃の三塁打は00年11月5日の第3戦で新庄(神)がマークして以来18年ぶり2人目。V打は源田が初めてだ。

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