輝星に大谷流サイン制限令 ハム大渕スカウト部長「結果残すまで」

[ 2018年11月16日 05:41 ]

「ポートタワー・セリオン」に登り窓ガラスにサインを書く吉田
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 日本ハムにドラフト1位指名された吉田輝星投手(17=金足農)が15日、契約金1億円、年俸1000万円で仮契約を結んだ。交渉の場は、秋田県で一番高い建物の「ポートタワー・セリオン」(高さ144メートル)で、輝星にあやかり「一番星に近い建物を選んだ」(球団関係者)という。吉田は「もう部活ではなく、野球が仕事になる。球界を代表する投手になりたい」と決意を新たにした。

 武器は最速152キロの直球。ただプロでは変化球を交えなければ打ち取れない。本格習得を目指すのがメジャー流の変化量の少ない球種だ。「カットボールとツーシームの練習をしている。直球と同じ腕の振りで軌道も同じように投げたい」。両球種は田中(ヤンキース)が海を渡った後に磨いた。吉田も以前から投げているが「曲げようという意識が強過ぎた」と打者に見極められたという。日米野球をテレビ観戦し、さらにその思いは強くなった。打者の手元で動かす速球系の変化球を「開幕までに完成させたい」と見据えた。

 交渉の席では大渕隆スカウト部長から「結果を残すまで、むやみに(ファンに)サインをしないように」と通達された。練習に集中させる環境づくりの一環で「1年目から1軍でと思っている。遠回りはさせたくない」と同部長。二刀流のOB・大谷(現エンゼルス)も練習を最優先し、限られた時間内でファンに対応した。吉田は偉大な先輩の野球に対する取り組み方を参考にするよう説かれた。

 秋田市内を一望できるタワー。その展望台のガラスに金足農カラーの紫色のペンでサインを書き込んだ。「もう日本ハムに入るまでの時間は短いのだと感じた」。サインと秋田の空とはしばしお別れになる。 (武田 勇美)

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